終了した展覧会・イベントです

「文明と野蛮のアーカイヴ」

スクールデレック芸術社会学研究所
終了しました
コロナウイルス感染拡大する6ヶ月前に開催された「堂島リバービエンナーレ2019:シネマの芸術学_東方に導かれて_ジャン=リュック・ゴダール『イメージの本』に誘われて」のテーマ《文明と野蛮》をより探求するためにスクールデレック芸術社会学研究所にて開催することとなった。そして、この展覧会は、人間の齎した文明と人類の存在をも脅かしているウイルスの感染後の世界、ポストコロナ時代の提言へ結びつけていくこととなる。
46億年前に太陽系の惑星として地球が誕生し、およそ40億年前にはすでに微生物が棲息し、ウイルスの起源は30億年前に遡る。そしてようやく現生人類が20万年前に誕生することとなる。文明化した地球環境においてウイルスは強かに変容を繰り返し、そして今やコロナウイルスによって、文明化した人類とは何なのかと言う問いが否応なく我々に突きつけられている。「文明と野蛮」の関係性を探究することによって、野蛮性や不条理性が潜む人間存在そのものを浮かび上がらせようとするものであり、展覧会そのものが作品を通して欺瞞や偽善を浮かび上がらせる装置となった。「堂島リバービエンナーレ2019」では、各作家が担っている歴史性を通して〈作品表現=時代精神〉を提示し続けているアーティストを選定し、各作家が生まれた時代 (1930s〜1990s)と現代に至る歴史的変遷を表象した作品とを重ね合わせて紹介した。
ジャン=リュック・ゴダール(1930年生)の映画『イメージの本』と、ゲルハルト・リヒター(1932年生)の『アトラス』のアップデート版(809点:本邦初公開)の双方の作品群が携えている、戦前から戦後を貫いている「アーカイヴ的ビジョン」を対峙させ、さらに戦後世代のトマス・ルフ(1958年生)やフィオナ・タン(1966年生)、ダレン・アーモンド(1971年生)を交え、東西冷戦構造の終焉を迎える直前に生まれた佐藤允(1986年生)、そして湾岸戦争後世代の空音央(1991年生)とアルバート・トーレン(1992年生)の各時代を代表するアーティストに出品参加してもらった。
スクールデレック芸術社会学研究所では、展覧会の完全ドキュメントとして書籍化された「文明と野蛮」(新曜社)に掲載されている膨大な作品の関連資料(写真/映像/文献/書籍)やイシダアーキテクツスタジオによって制作された展覧会会場の模型の展覧を行うことによって「最も深く鋭く問題提起で観衆を揺り動かした事件」(浅田彰)となった「堂島リバービエンナーレ2019」を企画者自ら省察するものである。さらにまた本展覧会「文明と野蛮」展では、コロナ後の未来的ビジョンを重ね合わせて問題提議を行っていきたいと考えている。

スケジュール

2020年7月24日(金)〜2020年9月6日(日)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日
火曜日・水曜日・木曜日は事前予約制
備考
金曜日・土曜日・日曜日開館、開館時間 12:00〜18:00、月曜日は休館、火曜日から木曜日は事前予約制
入場料無料
会場スクールデレック芸術社会学研究所
https://www.sgurrdearg.com/
住所〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
アクセスJR山手線・埼京線恵比寿駅東口より徒歩6分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅1番出口より徒歩7分
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