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「常設展Ⅱ」
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「常設展Ⅱ」
パープルームギャラリー
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アーティスト
梅津庸一、安藤裕美、シエニーチュアン、わきもとさき、アラン、播磨みどり
前回、パープルームギャラリーで開催した「常設展」はホワイトキューブのギャラリーに作品が端正に並んだ、いわゆる平常時の常設展の雰囲気を再現するような展覧会だった。
今回開催する「常設展Ⅱ」はパープルームギャラリーという場と相模原の街の接触面についてあらためて考え直すところから始まった。パープルームギャラリーは通りに面しており、道ゆく人々がガラス越しに中の様子を伺っていくことも多い。当たり前のことだが、四角に区切られた空間は住居、店舗、ギャラリーと様々な役割を担う。パープルームは性質の違う部屋をたくさん有しており、それぞれが奇妙に折り重なり、閉じたり開いたりしながらパープルームの総体を成してきた。
最近では以前にも増して「家」という自身やその家族が占有できる空間が外よりも安全な場所だとして推奨されている。しかし、わたしたちパープルームにとって「家」とはそもそもそんなに盤石な場所ではない。雨風、そして「外から来る悪いもの」からわたしたちを守ってくれる建物の壁や屋根を維持するためには当然コストがかかる。その維持コストや権利は外部との交渉によってしか得ることができない。そんな今さら確認するまでもない諸条件を前提にこの展覧会はつくられている。展覧会とは仮設のものだが、「家」もまた仮設のものであるとするならば、わたしたちが拠って立つ場所とはいったいどこにあるのだろうか。
本展はギャラリー内に作品を陳列するだけではなく、ギャラリーのファサードに大きな格子を設置した。この格子は隙間だらけなので光や風を遮らない。これは2015年7月にARATANIURANO(当時白銀高輪にあったギャラリー)で開催された「パープルーム大学物語」で採用された柵状の仮設壁が元になっている。「パープルーム大学物語」はおびただしい量の作品と複雑極まりない会場構成によって、情報に満ちた展示空間を実現した。その一方で再展示が不可能という問題点も同時に抱えることになった。パープルームの展覧会が扱ってきた展示を組織するための文法を必要最低限の要素で成立させることも本展では目論まれている。 外から見ればまるで檻の中のような空間に「密室」、「展覧会の模型」、「生活と労働」、「社会構造」、「家」などを主題にした作品が並ぶ。本展では「入れ子状の室内画としての展覧会」が試みられる。つまりそれは展覧会という形式がどのような支持体の上で成立しているのかをあらためて問い直すことだ。展覧会がコンテンツの器でも賑やかしのための催しでもないことを再確認する機会でもある。
2020年5月15日 パープルーム
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スケジュール
2020年5月23日(土)〜2020年5月30日(土)
開館情報
休館日
イベントにより異なる
備考
水曜日・木曜日は休廊、開館時間 15:00〜20:00
入場料
会場
パープルームギャラリー
http://parplume-gallery.com/
住所
〒252-0241 神奈川県相模原市中央区横山台1-2-16
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アクセス
JR相模線南橋本駅東口より徒歩23分、JR横浜線相模原駅南口より神奈川中央交通バス「日金沢上」下車徒歩5分
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