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渡辺志桜里 + 渡邊慎二郎 「Dyadic Stem」

The 5th Floor(花園アレイ)
終了しました

アーティスト

渡辺志桜里、渡邊慎二郎
昨今、惑星規模の諸問題が巻き起こっていることが、様々なメディアを通して私たちに伝えられます。私たちはこうした諸問題から目を背けることは極めて難しい状況におかれているといえます。そして、この状況について、私たち人間と私たちを取り巻くその環境との関係性の再考と、更新とが口うるさく議論され、希求されています。こうした現状において、私たちは自己をどう認識し、この世界に対してアプローチするべきなのでしょうか。

本展 “Dyadic Stem” では、Shiori WATANABE と Shinjiro WATANABE の二人のアーティストが、人間や動植物をはじめとするあらゆる存在の捉え方について考察するとともに、それらを起点とする環世界を提示します。

Dyad/Dyadic は、二つで一つであることを意味し、数学的には、二つのベクトルの積を表します。ドイツの哲学者ペーター・スロターダイク (Peter Sloterdijk 1947- ) は、人間性と環境についての関係性、ネットワークを捉え直すにあたり, 主著「球体 SHERES」の第一部作「気泡 BUBBLES」(1998)において、人間存在の根源である「人間的空間」つまり「人間が捉える環世界」について描こうとしています。その世界では、ゴットフリート・ライプニッツ (1646-1716) の言う「モナド(単子)」ではなく、例えば、母と子とが子宮において一体であるような「ダイアド(ペア = 一対)」存在が人間同士の真の一体性を表していると述べます。

また、Stem は植物の茎や幹を意味します。茎は植物全体を支えるだけでなく、根から吸収した養分を各所に運び、光合成により葉で生成されたものをまた各所に運ぶという植物にとっての循環器としての機能を持ちます。本展では、植物をはじめとする環境を思考するある種のダイアド的な2人のアーティストと彼らの作品をそれぞれを一つの茎に擬えています。

自明ではありますが、世界は決して人間のみで構成されるのでなく、生物や植物そして物質と諸アクター達によって支えられ、複雑に形作られています。そして、私たちはそれらによって形成されるエコシステムの中で生きています。こうした構造が改めて示される現代において、「Dyad( ダイアド )」という存在のあり方について、何と何が一体となり、各々がどのようにつながり、新たな世界のヴィジョンを見せていくのでしょうか。

スケジュール

2020年6月26日(金)〜2020年7月12日(日)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間 12:00〜20:00、月曜日は休館
入場料
会場The 5th Floor(花園アレイ)
https://the5thfloor.org/
住所〒110-0008 東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ 5F
アクセス東京メトロ千代田線根津駅2番出口より徒歩3分、京成本線京成上野駅池の端口より徒歩10分、JR上野駅山下口より徒歩11分
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