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[画像: Jennifer Rochlin, P22 The Hollywood Lion and Altadena Bear, 2020, ceramic with glaze, 40.6 x 25.4 x 27.9 cm]

ジェニファー・ロックリン 「California dreamin’ ― “On such a winter’s day”」

MAKI
終了しました

アーティスト

ジェニファー・ロックリン
MAKI Gallery / 表参道,東京では、ロサンゼルスを拠点に活動するジェニファー・ロックリンの日本初の個展「California dreaminʼ ― “On such a winterʼs day”」を10月17日より開催いたします。ロックリンは、ハリウッドの俳優やセレブたち、カリフォルニアの豊かな自然、あるいは作家の身近に起きる事柄を、そのみずみずしい感性によって陶器の器に描きます。不定形な独特の形の器を ʻ キャンバス ʼ としてそこにモチーフを描く彼女の作品は、独特な魅力を私たちに与えるでしょう。
ジェニファー・ロックリンは、1999年に美術学修士を取得したのちに就いた美術教師の仕事で陶芸授業のプログラム開発に携わったことがきっかけとなり、陶器の作品を作り始めました。現在ではさまざまな技法を駆使しながら、三次元の器の表面に表情豊かな ʻ 絵画 ʼ を生み出しています。彼女の作品を特徴づけているもののひとつは、その形です。細い棒状の粘土をコイル状に回し重ねて器にしていく過程で作家のインスピレーションが手に伝わり、絶妙なバランスを取りながら自由に変形していくのです。作品のもうひとつの特徴であるモチーフとその構図は、器の形をもとにイメージを膨らませ、構成されていきます。膨らみ、へこみ、起伏、質感は、均一に木枠に貼られたキャンバス以上に多くを語り、ロックリンの ʻ 絵画 ʼ をより複雑に魅力的に支えています。器に描かれる物語は、器の周りをぐるっと一周することで一連の流れとして表現される場合、あるいは四方の面にそれぞれ挿絵のように配置される場合もあります(このときそれぞれの絵に関連性がある場合もない場合もあります)。ロックリン作品の形とモチーフの関係は個別の作品ごとに違っています。しかし共通しているのは、機能的でバランスのとれた陶磁器の在り方を変えるうえで大きな影響力があったアメリカ人の作家、ピーター・ヴォーコス(1924~2002年)が語った言葉、「粘土はただの厚い絵の具であり、絵の具は薄い粘土にすぎない」を実践するがごとく、絵画と陶器の両方の要素を秘めている点です。本展のために用意された作品について、ロックリンは「ハリウッド・ブルバード*1で売られているお土産の絵ハガキ、セレブのプライベート・パーティ……ハリウッドの煌びやかさ、グラマー、大胆さのパスティーシュ*2を作り上げました。カリフォルニアのフランクなハイカルチャーも含ませ、これらすべてはカリフォルニアの動植物で額装されています」と語ります。これらは、器の形やモチーフの構図に加えて作品の魅力のひとつをなす華やかで大胆な色彩によって、より一層作品に表現されています。
本展覧会のタイトルは、カリフォルニアを愛し、この地の人々に愛されるロックリンが、遠く日本からこの地を恋しく思ってほしいという願いを込めて、アメリカのフォークグループ、ママス&パパスが1965年に発表した楽曲「夢のカリフォルニア(California Dreaminʼ)」の歌詞の一節をとってつけられました。ぜひ、それぞれの器に託されたこれら彼女の無限に広がる想像力の世界をご覧いただければ幸いです。

*1 ハリウッドの観光名所の中心地。スターの名前が書かれた星形、ウォーク・オブ・フェイムがあり、道沿いには、ショッピングモールやギフトショップがある。
*2 パスティーシュ;既存の作品の批評的模倣。元の作品に敬意をこめている場合、オマージュともいう。

スケジュール

2020年10月17日(土)〜2020年11月21日(土)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
展示期間以外は不定休
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/3642/
会場MAKI
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-11
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A2出口より徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩6分、JR山手線原宿駅東口より徒歩10分
電話番号03-6434-7705
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