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[画像: Claire Tabouret Self-portrait at the Table, 2020. Acrylic on canvas. 100 x 81 x 2 cm. Courtesy of the artist and Perrotin.]

クレア・タブレ 「ロックダウン・セルフポートレイツ」

ギャラリーペロタン東京
終了しました

アーティスト

クレア・タブレ
※本展示は事前予約制となっております。詳細は公式ホームページよりご確認ください。

ペロタン東京はこのたび、ロサンゼルスを拠点に活動するフランス人アーティスト、クレア・タブレによる新作ペインティングの個展を開催いたします。本展では、ロックダウン(都市封鎖)のさなかに制作された、タブレ自身の個人的な姿を描いた新作セルフ・ポートレイトのシリーズを発表いたします。

日本初の個展となる本展では、一連の作品《Lockdown Self-por trait s》を通して、タブレの視線が鑑賞者ではなく内側を向いていることが示されます。タブレはこれまで、二人以上の人物らの関係性に焦点を当てた作品を数多く制作してきました。しかし、昨今の世界情勢を受け、人々が集う機会が減ったことから、タブレは自分自身と鑑賞者との間のダイナミクスに焦点を当てました。セルフ・ポートレイトは、10年ほど前からタブレの活動の重要な部分を占めていますが、この非自発的な孤立感という現状を受け、必然的に自分自身を被写体とするようになりました。タブレは、フィンランドの人里離れた田舎に住んでいたヘレネ・シェールフェックが、他にモデルがいないときによく描いていたという非常に個人的な自画像に影響を受け、「絵を描きたいという衝動は何があろうと常に存在しているので、自分自身を描き始めたのはとても自然なことだった」と振り返っています。

タブレの作品に登場する人物らにとって、化粧や衣装などの要素は言わば“鎧”の役割を果たすことが多く、それらを用いて鑑賞者から特定部分を隠すことで、確たる自信を示すことを可能としています。これらの新作セルフ・ポートレイトから大胆不敵さは消滅していないものの薄れ、その“盾”はより緻密に存在しています。特大のローブ、フード付きのスウェットシャツ、愛犬のジョージは、タブレと鑑賞者の間に断固として立ちはだかるのです。また、ヴュイヤールの見事なインテリア―人物が室内のファブリックや模様に飲み込まれそうになっている様―が想起されます。タブレの新作からも、重厚感がありながらも家庭的な暖かさと安堵感を持ち合わせた、同様の雰囲気が感じ取れます。厚手のストライプ柄のバスローブを描いた作品は、マティスのオダリスク絵画を連想させ、フードを被った自画像は、ズバランの僧侶の絵画や、ガタン・ガティアン・ド・クレランボーによる何千枚ものベールをかぶった女性の写真を連想させます。これらの覆いは、まるで子宮のようであるとともに、避難所としての役割を果たし、消えてしまいたいという作家の衝動を表現しています。卓上の自画像においては、手で顔を隠し、目を逸らすことで鑑賞者を避けています。マネの《ラ・プルーン》に倣い、タブレは「内向きになっているこの特別なまなざしを見つけたい」という願望を呼び起こします。

タブレはこれらのペインティングの他にも、新作モノプリントのシリーズを発表します。タイトルが指し示す通りすべての作品がユニークですが、特にその制作プロセスの性質上、描かれたひとつひとつの絵に直前の“残像”が含まれています。すべての作品は前作への反応であり、モチーフの繰り返しが展覧会全体に音楽的なリズムを生み出す様を、タブレはジャズの即興演奏に例えています。これらの連続した自画像は、ペインティングの構図を模したものでありながら、特異な逸脱性を保っています。一体となったペインティングとモノプリントは、鑑賞者に自身が見たものの記憶を問うよう促します。

タブレは作品の中で自身が唯一の被写体であるにもかかわらず、鑑賞者の前から引き下がっていることは明白であり、まるで完全に消えてしまう一瞬手前のように描写されています。その表情は同じようで一様ではなく、時間の経過とそれに伴う人間の顔の儚さを称えています。これらの作品は、制作時の時勢の不確実性を反映しており、いつ変化してもおかしくない一時的な感覚を表現しています。タブレは「今ここに存在していることへの不安感があり、それが作品に反映されている」と説明しています。

スケジュール

2020年11月19日(木)〜2020年12月31日(木)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
開館時間 12:00〜18:00、事前予約制
入場料無料
展覧会URLhttps://www.perrotin.com/exhibitions/claire_tabouret-lockdown-self-portraits/8834
会場ギャラリーペロタン東京
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅1a・1b出口より徒歩1分
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