リチャード・セラ 「ドローイング展」

ファーガス・マカフリー 東京

poster for リチャード・セラ 「ドローイング展」
[画像: Installation view of Richard Serra: Drawings at Fergus McCaffrey Tokyo, June 2020 © 2020 Richard Serra / Artists Rights Society (ARS), New York; Photo by Ryuichi Maruo]

4日後終了

ファーガス・マカフリー東京は2020年6月20日より、アメリカで最も著名なアーティストの一人、リチャード・セラのドローイング「オリエント」を展示致します。2018年に制作されたこの新作シリーズは、作品が制作されたニューヨーク・ロングアイランドの北端に位置するオリエントから題名が取られています。セラが長きにわたり取り組んできた重量とプロセスに対する考察によって特徴付けられるこの作品群は、比喩と含意の仕掛けを避け、ドローイングの素材の物理的性質を明らかにします。

50年以上にわたりリチャード・セラが生み出してきた彫刻とドローイングは、時間というパラメーターの中に設置される行為に対する彼の関心と研究を反映してきました。彼の記念碑的でサイト・スピシフィックな彫刻の到来が予告される中、セラは1971年に始まる黒の厚塗りの作品から、ドローイングの境界を押し広げてきました。彫刻とドローイング、両方の鍵となるのは、セラの長年にわたる重力と重量への取り組みです。本展に合わせ出版されるカタログ内で、日本の著名な美術評論家、峯村敏明が1970年東京でセラが制作した2作品について述べている通り「[一種の形而上学としての]隠れと現れの理法」にセラは関心を寄せていました。巻かれた鋼板の彫刻は、作品の周りを移動することによって活性化される鑑賞者の感覚的な関係性を強調し、その視覚的な位置は機能的、そしてリアルタイムに巨大な金属を変容させていきます。ドローイングにおいては、セラは強調された素材の物理的な特徴に関与していくことが課せられ、その結果直接的で親密な表面が生み出されます。

1970年セラは第10回東京ビエンナーレとして広く知られる「人間と物質」展へ招かれ、彼にとって初めての野外彫刻となる《To Encircle Base Plate (Hexagram)》を制作しました。この日本訪問はセラに強い衝撃を与え、彼は後にハル・フォスターとのインタビューで、彼の風景を扱う作品と彫刻作品の両方で、厳格な日本庭園が知覚範囲内における時間の探求に影響を与えたと話しています。2001年プリンストン大学のベルナップ・レクチャー(レクチャー原稿はカタログに掲載)で、セラはこの転換期となる経験について次のように回想しています。「京都は私のものごとの見方を定義づけた。禅庭の知覚空間は全体のフィールドとしての風景を明らかにし、視覚者が移動していることを前提に構成されている。そこでのフォーカスは決して孤立した彫刻のような物体ではなく、全体の混合的な複雑さに目が向けられている。」同様に、セラが継続して使っている黒のインクは、日本における素材の豊かで長い伝統を示唆しています。黒一色のみが使われていることは、彼の光を完全に取り除くことに対する関心と、かたちの重要性を物語っています。1994年国立国際美術館(大阪)でセラの半生で制作された紙を支持体とする作品の回顧展「リチャード・セラ ドローイングと版画」展が開催され、二次元の表面上での彼の幅広い表現が発表されました。同年、セラは日本で最も権威ある賞の一つである、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。実り多いキャリアを通してセラは自身に大きな影響を与えた日本での展示を続けていましたが、本展はセラにとってほぼ20年ぶりとなる日本国内での個展となります。一方アメリカでは2011年から12年にかけ、メニル・コレクション(アメリカ・ヒューストン)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、サンフランシスコ美術館を巡回したドローイングの回顧展が開催されるなど、その重要性は広く認知されてきました。そのほかブレゲンツ美術館(2008年、オーストリア)、ボイマンス・ヴァン・べーニンゲン美術館(2017年、オランダ・ロッテルダム)でも主要な回顧展が開催されています。

ファーガス・マカフリー東京で開催される本展では、セラの新作ドローイング・シリーズ「オリエント」が展示されます。本シリーズは作家の動作・作業と素材の間のダイナミックな相互作用によって生み出されました。まず平らな表面の上に、インパスト、エッチングインク、シリカなど様々な顔料で作られる黒の厚塗りが広げられ、その上に丈夫な紙がプレスされます。鉄の道具と体重だけを使ってセラは顔料を動かし、ユニークな画面を生み出します。最終的な結果を決めることを避け、先を見通すことはできない、身振りによる操作を通して黒の塊を調整していきます。最後に黒の物質がのっている紙を取り除くと、豊かで粘り気がある、不規則な鉛の質感が現れます。

セラは二次元の作品において様々なテクニックを真剣に探求し、その結果としてドローイングにおける幅広い表現効果が作り出されています。1970年にセラは初めての人間の等身大のドローイングを制作し、そこでは彼の建築的彫刻を通して展開されていたのと近い構成が採用されました。同時期の他のドローイングは、水平と垂直がなす緊張を主張するものでした。「オリエント」シリーズが属するこれらの作品群は、空間と時間の考察へ到達するための成熟した場としての、身体的身振りと内在する重さの結びつきを明確に表現しています。

本展開催に際し、ファーガス・マカフリーはリチャード・セラの「オリエント」ドローイング・シリーズの全容についてのカタログを制作しました。本著には、もの派研究の第一人者である峯村敏明によるエッセイ、作家本人による2001年プリンストン大学でのベルナップ・レクチャー(Belknap Lecture in the Humanities)原稿を合わせて掲載。また展覧会に合わせ、セラーのドローイング制作、彼の日本滞在についての年代記的な短編動画を制作いたします。

[関連イベント]
オンライン・ディスカッション
ゲスト: 南條史生、田中泯
※イベント詳細は公式ホームページよりご確認ください。

メディア

スケジュール

2020年06月20日 ~ 2020年09月26日

アーティスト

リチャード・セラ

入場料

無料

アートスペースの開館時間

11:00から19:00まで
月曜・日曜休館

アクセス

〒107-0061 東京都港区北青山3-5-9
電話: 03-6447-2660 ファックス: 03-6447-2686

東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A3出口より徒歩3分、東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口より徒歩6分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩11分

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