終了した展覧会・イベントです

「市原湖畔美術館 関連企画 田中信太郎作品展」

アートフロントギャラリー
終了しました

アーティスト

田中信太郎
この度アートフロントギャラリーでは、昨年逝去された田中信太郎さんを偲び市原湖畔美術館にて開催される田中信太郎展「風景は垂直にやってくる」の関連企画として田中信太郎の作品展を開催致します。

田中信太郎は1940年東京生まれ。58年に東京藝術大学を受験するが不合格となり、高校卒業と同時に茨城から上京、フォルム洋画研究所に在籍しながら自己表現を探求する。翌59年にはアッサンブラージュによる作品で、二紀展の褒賞を受賞。その作品が新聞の美術評で東野芳明に取り上げられた事は弱冠19歳の田中が美術界で注目されるきっかけとなったと言えるだろう。

60年には前衛美術集団「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」に参加。篠原有司男、赤瀬川原平、荒川修作らと共に青春時代を過ごした。65年の初個展では、ハートなどのトランプの記号の一部を拡大してキャンバスに表現した作品を発表。それまでのアッサンブラージュやオブジェから、純粋抽象へと移り変わりをみせた。この変化を田中自身はいままでと全くちがう「何もないけれど、まぎれもなくあるようなものを作りたい」という思考によって制作していたといっている。68年に発表された《点・線・面》のミニマルなインスタレーション的な表現は美術界のみならず、倉俣史朗をはじめとするデザイナー、建築家にも強いインパクトを与えた。その後も69年パリ青年ビエンナーレ、70年日本国際美術展「人間と物質」、72年ヴェネツィア・ビエンナーレ、多数のパブリック・アートやデザイン・ワークの制作と活躍の場を広げている。

病気を克服して復帰した80年代後半は《風景は垂直にやってくる》に代表される様に、これまで手掛けてきた幾何形体的な作品とは対照的に文学的な、有機的な印象の作品を展開しはじめた。この転機を後のインタビューで「饒舌な表現」と表した田中は「自分の感情や能力の赴くままに、芸術なんてことにこだわらないで作品を作ろうと(中略)病気の後、明日やりたいことは何かっていう方にシフトしたんだと思うね。」と語っていた。91年の個展では純粋な絵画作品のみで構成され、一見ミニマルに見えるそれらの作品は画面全体に響きわたる微妙な階調の中に何物かを見いだそうとしている跡を見せるような作品であった。その後も、波や子宮を題材にした作品や、卵状の造形物、十字架を彷彿とさせる作品など、人の生と死をも感じさせる柔軟な展開をみせたが、どれも洗練された形態の奥深くに人間の普遍的な原理が存在するかのような奥行きを感じることができる。

本展では、田中の残した数多くの作品群の中から、80年代以降の表現を中心に絵画作品を厳選して紹介する。昨年8月に79歳で生涯の幕を閉じるまで、その時代時代で表現のシフトを変え、柔軟に表現を探求し続けた田中。「最初から表現が一元的に確立した作家になりたいとは思ってないんですよ。あくまでもいろんな接点の中で変化をし続けるような作家でありたい。」「どんな風が来ても倒れないで、その風を受けて一緒に舞い上がれるように。」そう語っていた田中の表現から、今、世界的危機に直面する私たちは何を感じるのだろうか。

スケジュール

2020年9月11日(金)〜2020年10月11日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00〜17:00
休館日
月曜日、火曜日
夏期・年末年始休館
備考
開館時間 12:00〜19:00、土曜日・日曜日は11:00〜17:00
入場料無料
展覧会URLhttp://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2020_07/4287.html
会場アートフロントギャラリー
http://www.artfrontgallery.com/
住所〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
アクセス東急東横線代官山駅より徒歩3分、JR山手線・埼京線恵比寿駅西口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅4番出口より徒歩8分
電話番号03-3476-4869
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します