藤芳あい 「Swimming Pool」

私たちが日ごろ見ている「もの」は、その「もの自体」ではなく、あくまでそのものに反射した光に他ならない。網膜でこれを知覚し、認識しているのだ。液体の場合、すでにその存在そのものが形を留めるものではないので、事態は複雑を極める。

藤芳あいの新作「Swimming Pool」は、無色透明の水が清潔なプールに満たされ、鮮やかな青色を放っているその最も美しい(と思われる)状態をそのままかたちに留めている彫刻作品だ。しかし、その一角は大胆にえぐり取られている。

poster for Ai Fujiyoshi

藤芳あい 「Swimming Pool」

にある
ラディウムにて
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藤芳あいの新作「Swimming Pool」は、無色透明の水が清潔なプールに満たされ、鮮やかな青色を放っているその最も美しい(と思われる)状態をそのままかたちに留めている彫刻作品だ。しかし、その一角は大胆にえぐり取られている。現実にはありえない光景、しかし、この「仮想の一瞬」はもしかしたら、「現実の一瞬」として存在可能かもしれない。見る角度、すなわち光の屈折率の違いにより様々に表情を変える作品が、身震いするほどリアルに見える瞬間がある。それが、展覧会のテクストにあるもうひとつの世界への入口、本来人間が知覚不可能なはずの領域世界なのかもしれない。

Makoto Hashimoto

Makoto Hashimoto. 1981年東京都生まれ。横浜国立大学マルチメディア文化課程卒業。ギャラリー勤務を経て、フリーのアートプロデューサーとして活動している。主な企画展にReading Room (BankART Studio NYK/2005年)、都市との対話(BankART Studio NYK/2007年)、The House「気配の部屋」(日本ホームズ住宅展示場/2008年)など。2006年11月より横浜ベイクォーター内 「ギャラリーBOX」の作品展示をP3 art and environmentの芹沢高志と共に企画・制作。また、TABの他にポータルサイト「AllAbout アート・美術展」 「REALTOKYO」、雑誌「BT/美術手帖」「ARTiT」「美術の窓」などでもアート関連記事を執筆している。 展覧会のお知らせや業務依頼はhashimoto[AT]diacity.netまでお気軽にどうぞ。 ≫ 他の記事

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