FlowLounge: 安積伸xITOKI

イギリス在住のプロダクトデザイナー安積伸とオフィスファニチャー・カンパニーITOKIの共同開発による新作が、Design Tide 2006で発表。FlowLoungeというタイトルによる新しいオフィスファニチャーシリーズは「Garden(庭)」がコンセプト。2年ごしの開発期間を経て誕生した11のアイテムを前にして、デザイナー安積氏自身によるプレゼンテーションがあるというので、展示会場である青山のLIGHT BOX STUDIOを訪ねた。

poster for ”FlowLounge” Exhibition

「FlowLounge」展

表参道、青山エリアにある
ライトボックススタジオ青山にて
このイベントは終了しました。 - (2006-11-01 - 2006-11-05)

In レビュー by Chihiro Murakami 2006-11-05

azumitalk.jpg

昭和の古い建物を改装したというやさしく開放的なLIGHT BOX STUDIOの空間には、春から夏にかけての木々を思わせるようなやわらかいグリーン色のイスや、おもわず土いじりをしたくなるようなレンガ色や濃いこげちゃ色のスツールが、ちいさなグループになっていくつも並んでいる。マテリアルもクッションもふっくらとやさしく、机やパーテーションも十分に隙間があって風通しがよい。「眺めてみると、池に漂う浮き草のような感じに見える」のでFlowLoungeと命名したそうだ。

flow_02.jpg

Gardenのエレメントを家具に置きかえた「FlowLounge」シリーズ。

コンピューター端末一つで、カフェも、公園もオフィスになる現在。ネットワークの発達によって、物理的距離に対するネガティブさは薄れてきたが、逆に、実際に隣同士に座っている人までもがチャットやメールで会話するというように、直接的なコミュニケーションがおびやかされる状態になりつつあること、またオフィスで自然と人が集う場所が、端においやられた喫煙所や給湯室という実態から、果たしてこれがオフィスの人が集う場所として正しいのか?という疑問がわいたという。「じゃあ安積さんにとって自然に集いたくなる場所はどこなの?と聞かれて思ったのがGardenだったのです。」

flowl_01.jpg

パーテーションはガーデンフェンスの「空間をブロックしないしきり」という役割をうまく置き換えている。

確かにヨーロッパにおけるGardenのアクティビティは多様だ。休みの日の天気のいい日には寝転がって途中になっていた本の続きを読んだり、側を通る人と声をかけあったり、そのうちに2~3人が近づいてきてお茶をのみながら談笑したり、初夏がスタートしたとたんに、あちこちでバーベキューパーティがはじまったり、、とGardenは一人から多数までのアクティビティを包容する。
日本人の庭の感覚とは少し違うかもしれないが、安積氏は日本の原風景である「縁側」にこのGardenアクティビティは通じるものがある、と言う。

「今オフィスで必要とされているコミュニケーションとは何か?」「居心地のいい空間とは?」という普遍的な大命題に対し、イギリスが日常生活の拠点であるからこそ発想されたであろう安積伸の「Garden」というコンセプトと、その発想を家具におきかえた「FlowLounge」シリーズ。これからの日本のオフィス空間で、どんな自然な集いが生まれてくるのか楽しみである。

flow_03.jpg

azumisan.jpg

プレゼンテーションを終えたばかりの安積さん。

azumiparty.jpg

多くの来場者が家具を取り囲んで談笑する様子はまさにGarden Party。

Chihiro Murakami

Chihiro Murakami. Visual Communication Designer 武蔵野美術大学卒業後、GKグラフィックス、日本デザインセンターを経て2002年渡英。ロンドン大学Goldsmithsでディプロマ、University of the Arts, Central Saint MartinsでMAを取得。2006年Birds Designを設立。グラフィックデザイナーとしてのキャリアとコミュニケーション力を生かし、国内外のクリエイターとの共同プロジェクトに参加する他、デザイナーならではの視点を切り口とした執筆活動、デザイン企画などを行っている。 ≫ 他の記事

コメント

Instagram

人気記事

TABlogのそれぞれの記事は著者個人の文責によるものであり、その雇用主、Tokyo Art Beat、NPO法人GADAGOの見解、意向を示すものではありません。

All content on this site is © their respective owner(s).
Tokyo Art Beat (2004 - 2020) - About - Contact - Privacy - Terms of Use