畠山直哉 「Draftsman’s Pencil」展

畠山直哉の「ブラスト」シリーズや「ライムワークス」のイメージから巨大なプリントを期待して観に行った人は、もしかしたら拍子抜けするかもしれない。というのも、今回の展覧会では比較的小さなプリントの作品が多いからである。

poster for Naoya Hatakeyama

畠山直哉 「Draftman's Pencil」

にある
神奈川県立近代美術館 鎌倉にて
このイベントは終了しました。

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では、なぜ小さなプリントなのか。畠山はここで、我々に大きなプリントと小さなプリントとに対してとる態度に決定的な違いがあることを暗示しようとしているのかもしれない。それは、この展覧会のタイトルかもうかがえる。「Draftsman’s Pencil=製図者の鉛筆」という展覧会のタイトルは、鉛筆の筆致をなぞるように緻密に作品を見ることを鑑賞者に促しているようにもとれる。それは大型の作品が特徴的なドイツ写真(特にベッヒャー・シューレ)を見る態度とは決定的に異なる。後者は作品とある程度の距離をとりながら、自然物あるいは人工物の圧倒的な「巨大さ」に反応することを一つの基準としている。しかし、畠山の作品はある程度の大きさのある人工物たる建築を撮影対象としていながら、サイズを小さめにすることで、別の視点に立つことを鑑賞者に暗示している。それは、作品から離れて見るのではなく、プリントに接近して精緻に見ることを意味しているように思われる(その点で、プリントに接近してはいけないよう白線を引いているのは展覧会のテーマと矛盾しているように思われる)。

ここでは、あえて接近して初めて見えてくるものが何かを明らかにしないでおこう。それは、自分自身の目で確認して欲しい。色々なものが「逆転」して見えることであろう。

Bunmei Shirabe

Bunmei Shirabe. Graduate student of Aesthetics - Tokyo University 1980年生まれ。写真、球体関節人形(ハンス・ベルメールなど)の研究。今現在、photographers' gallery中のoff the galleryにあるRevised Editionにて執筆中。またブログ「入院(完了)生活」にて毎週日曜に写真集批評を継続中。 ≫ 他の記事

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