公開日:2012年7月25日

MoMAで『東京1955-1970』展が開催

【Art Beat News】赤瀬川原平、中西夏之、岡本太郎、横尾忠則ほか、20世紀を代表する芸術家たちの前衛的な試みを一挙紹介。

岡本太郎 《森の掟》1950年 川崎市岡本太郎美術館蔵

今年11月から来年2月にかけて、ニューヨーク近代美術館(MoMA)と国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の共催により、『東京1955-1970』展が開催される。近年、日本戦後美術史への感心が米国を中心に高まりを見せる中、戦後日本社会において数多くの芸術家を輩出した激動の時代に焦点を当て、この時期の東京で育まれた前衛的な試みを振り返る貴重な展覧会となっている。

戦後から高度経済成長期にかけて、驚くほどの速度と勢いで変遷していった東京。そうした都市のエネルギーを吸収し、時代の先端を拓く様々な芸術作品が生み出された。本展では、絵画、彫刻、ドローイング、写真、グラフィックデザイン、実験映画など多様なメディア作品を網羅し、この時期の東京で繰り広げられた作家たちの創作行為やその相関関係を一望できるものとなっている。出品作家には、日本の前衛芸術を代表する芸術集団ハイレッド・センターの赤瀬川原平、高松次郎、中西夏之をはじめ、シュールレアリズムの影響を引き継いだ池田龍雄や岡本太郎、日本のグラフィックデザイン界に最大の衝撃を与えた横尾忠則など、後世に多大な影響を及ぼしてきた芸術作品が約300点展示される。

また、ちょうど同時代の芸術家たちの活動に焦点を当てた展覧会『「具体」ーニッポンの前衛 18年の軌跡』が、国立新美術館で 9月10日(月) まで開催中だ。こちらは、1954年に阪神地域在住の若い美術家を中心に結成された前衛美術グループ「具体」の奇想天外でユニークな作品や試みを紹介する展覧会となっている。

1955〜1970年とは、敗戦国・日本が経済成長と共に奇跡的な復興を遂げる中、変動する時代のエネルギーを吸収して数々の前衛的な芸術活動や作品が生み出された時代だった。この時代の作品群がおよそ50年の月日を経て、いま、ニューヨークで展開される事実に期待が高まる。

赤瀬川原平《復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)》1963年 名古屋市立美術館蔵
松本俊夫《銀輪》1956年 東京国立近代美術館フィルムセンター ©徳間書店株式会社

■展覧会概要
会期:2012年11月18日(日)~ 2013年2月25日(月)
会場:ニューヨーク近代美術館(6階特別展示室を予定)
主催:国際交流基金、ニューヨーク近代美術館
キュレーター:ドリュン・チョン Doryun Chong(ニューヨーク近代美術館絵画・彫刻部門アソシエイト・キュレーター)
■ 国際交流基金ウェブサイト

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