演劇、ダンス、美術、音楽などの分野における創り手たちが国境を越えて集結する、国際的な舞台芸術の祭典である「フェスティバル/トーキョー14 <境界線上で、あそぶ>」が11月1日から開催される。
<境界線上で、あそぶ>とタイトルに冠する通り、国境やジャンルを越えた創り手たちの作品がクロスオーバーする広がりのある内容。主催プログラムでは、現代演劇の巨匠たちに加え、演劇、ダンス、美術、音楽などの分野における中堅〜若手の創り手たちが共同制作による新作を上演する予定だ。
今回、フェスティバルのオープニングを務めるのは、大友良英のディレクションによる「プロジェクトFUKUSHIMA!」。
そして、中国のワン・チョンの薪伝実験劇団による「ゴースト 2.0 ~イプセン「幽霊」より」や、フランスのピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌの作・演出による「驚愕の谷」、パレスチナのジョージ・イブラヒムと坂田ゆかり、目、長島確の共作による「羅生門|藪の中」などをはじめ、国境・ジャンルを超越した全14作品がプログラムに名を連ねる。その他、シンポジウム、映像上映、各作品に連動した講座などのプログラムも展開される。
さらに、今年から新たな取り組みとして「アジアシリーズ」を開始。初年度となる今回は、韓国の「多元(ダウォン)芸術」を特集する。「多元芸術」とは、2000年代から韓国で注目されるようになった、既存のジャンルを超越する脱ジャンル的な実験芸術の総称。今回は韓国のほか、中国、ミャンマーのアーティストの作品も出展される。
今後「アジアシリーズ」は、一国ごとに特集を行う予定。ディレクターがその国に数ヶ月滞在し、綿密なリサーチを実施した上でプログラムを組む。なお、来年度にはミャンマーを特集予定とのこと。国境やジャンルの境界線を越えるプログラムとして、今年以降の展開も期待される。
■開催概要
フェスティバル/トーキョー14
会期:2014年11月1日(土) 〜 11月30日(日)
会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎、シアターグリーン、アサヒ・アートスクエア ほか
http://festival-tokyo.jp/
Text: 玉田光史郎(Koushiro Tamada)