公開日:2015年5月7日

TABレポ「フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展」

東京都庭園美術館で、異界に出会う展覧会。

港区の東京都庭園美術館にて、4月25日(土)より「フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展」が開催されます。内覧会では初夏を感じさせるような陽気の中、建物内に瑞々しい自然光が差し込んでいました。

本展では、アフリカ、アジア、オセアニア、アメリカから集められたケ・ブランリ美術館の所蔵作品より、各地のマスク(仮面)約100点を展示。フランスよりキュレーターのイヴ・ル・フュール氏自らが展示チームとともに来日し、アール・デコ建築が特色の旧朝香宮邸の空間に合わせて展示を構成しました。

自然光が差し込む明るい展示室で見るマスクは、新鮮な印象。それぞれの地域・部族で様々な意味をもち、見えざるものと通じる手段として用いられてきた。
自然光が差し込む明るい展示室で見るマスクは、新鮮な印象。それぞれの地域・部族で様々な意味をもち、見えざるものと通じる手段として用いられてきた。

書斎にあらわれた異形の仮面たちにドキリ。1階は公的な空間に合わせ、2階は私的な空間に合わせて展示が構成されている。
書斎にあらわれた異形の仮面たちにドキリ。1階は公的な空間に合わせ、2階は私的な空間に合わせて展示が構成されている。

旧朝香宮邸が作られたアール・デコの時代は、アフリカ・オセアニア地域の土着的なオブジェが西欧に注目された時代でもあった。
旧朝香宮邸が作られたアール・デコの時代は、アフリカ・オセアニア地域の土着的なオブジェが西欧に注目された時代でもあった。

仮面の裏側

世界各国のマスクが、庭園美術館の建物のあちらこちらに姿をあらわす今回の展示。アール・デコの建物とマスクによる、新たなインスタレーションのように感じました。マスクを着用する時に、異界と通じるのはマスクの向こう側。仮面の裏側に回ると、自分の知らない世界にあっという間に吸い込まれてしまいそうです。それは恐ろしくもあり、快感でもあるような不思議な瞬間です。

ル・フュール氏は、光の入り方や反射まで、展示室の全てが計算されているといいます。多様なマスクはもちろんのこと、マスクに重なって展示ケースのガラス面に映り込む自分の姿さえもが、異界への道を感じさせるようでした。

360°から鑑賞できる作品では、ぜひ裏側にも回ってみてください。
360°から鑑賞できる作品では、ぜひ裏側にも回ってみてください。

【関連情報】
東京都庭園美術館「フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展」では、TABの割引アプリ「ミューぽん」が使えます。一般・学生2名まで、入場料が20%割引になります。
また、併設のミュージアムショップでは充実のオリジナル・グッズにも注目です!

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マスク展 オリジナル・グッズ
マスク展 オリジナル・グッズ

chiquichika

chiquichika

ブラジル生まれのスペイン育ち、帰国後から東京在住のアートファン。2010年より5年間、Tokyo Art Beatのスタッフとして勤務。現在は、2歳になる娘とどんぐり拾いやアートめぐりを楽しんでいる。