公開日:2015年9月19日

日本初!春画の名品が集結する「春画展」がついに開催

【Art Beat News】葛飾北斎、喜多川歌麿、鳥居清長ら、浮世絵の大家たちが集う

日本初となる大規模な「春画展」が、2015年9月19日(土)から永青文庫 特設会場にて開催されることになった。大英博物館やデンマークから、また日本の美術館や個人コレクションから「春画の名品」が集められ、一堂に会して展示される。

「煙管」 鈴木春信

春画とは、男女の性の営みを描いた江戸時代の浮世絵のこと。葛飾北斎、喜多川歌麿、鳥居清長らの浮世絵師が描いた春画は、ゴッホやピカソといった印象画の画家にも影響を与えたと言われており、世界的な評価も高い。2013年にはイギリスの大英博物館で大規模な春画の展示が開催されたが、本国である日本で春画の展示を行うのは初。

「歌満くら」 喜多川歌麿

同展においては、約30点の肉筆(版画などの印刷でなく人の手で描かれた書画)を含め、前期後期あわせて約120点の春画を展示。鈴木春信、月岡雪鼎、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎など、浮世絵の大家たちによる作品のほか、徳川将軍や大名家の絵画を担った狩野派の作品など、大名から庶民にまで広く愛された春画が集まる。

春画は平安時代や鎌倉時代から存在し、「偃息図(おそくず)」と呼ばれ、愛好されていた。「小柴垣草紙(こしばがきぞうし)」や「稚児之草紙(ちごのそうし)」など、鎌倉時代の作例が今も現存している。江戸期には印刷技術の発達により、浮世絵版画として庶民文化に浸透。当時の著名な浮世絵師のほとんどが春画を制作している。

“秘め事”の中で鮮やかに花開いた日本古来の美が、ついに国内で日の目を浴びようとしている。世界が驚いた春画の美を、ぜひその目でご覧あれ。

「富久寿楚宇」 葛飾北斎

■開催概要
会期:(前期)9月19日(土) ~ 11月1日(日)
(後期)11月3日(火・祝) ~ 12月23日(水・祝)
会場:東京都文京区目白台1-1-1 永青文庫 特設会場(2〜4F)
時間:9:30~20:00(入館は19:30まで)、日曜日は9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜(祝休日の場合は開館)
料金:1,500円
※18歳未満は入場禁止
ウェブサイト:http://eiseibunko.com/shunga/

(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)

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