公開日:2018年5月31日

S-HOUSEとクシノテラス初の共同企画「越境するミュージアム」が開催

「中心」と「周縁」を扱う美術館が互いのコレクションを交換、2018年7月から12月まで

岡山県のS-HOUSEミュージアムと広島県のクシノテラスは、初となる共同企画の展覧会「越境するミュージアム」を7月14日(土)より開催する。2つの美術館が持つコレクションを交換して展示が行われる。

アンディ・ウォーホール キャンベルスープ

S-HOUSEミュージアムは、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット・SANAAが初めて設計した木造個人住宅を活用した美術館として2016年春に開館。開館の背景には、「同時代の芸術こそ人々の心を豊かにする」という美術評論家の瀧口修造の影響がある。同館は、戦後の混乱期に多くの芸術家を支援した瀧口修造の理念を受け継ぎ、10年間アーティストを固定し、毎年新作を加えながら日本の現代美術の最前線を体感できる美術館として活動を続けている。

工藤哲巳 広島の化石 / 脱皮の記念品

S-HOUSEミュージアムが現代美術の“中心”を扱うとすれば、クシノテラスはその“周縁”の表現に目を向けてきた美術館だ。クシノテラスはS-HOUSEミュージアムと同時期に開館し、まだ評価の定まっていない市井の人々の表現を数多く紹介し続けている。

“中心/周縁”という枠組みの違いはあれど、“表現”という点で両者に違いはない。そして、その両者の境界線は明確なものではなく、表裏一体。それぞれの芸術には、今をどう生きるかを思考するヒントが潜んでいるとし、S-HOUSEミュージアムとクシノテラスは共同で展覧会を企画することになったという。

本展覧会は対極的な2つの美術館が持つコレクションを交換して展示することで、既存の価値観をほぐし、真の普遍的な価値観が共有されることをめざす。

■概要
<S-HOUSEミュージアム>
会期:2018年8月4日(土)〜12月16日(日)(土曜日・日曜日・月曜日が祝日の場合のみオープン)
会場:S-HOUSEミュージアム 岡山県岡山市南区浦安南町445-8
開館時間:10:00〜18:00
料金:投げ銭制
出展アーティスト:長恵
ウェブサイト:http://s-house-museum.com/

<クシノテラス>
会期:2018年7月14日(土)〜12月16日(日)(土曜日・日曜日・祝日のみオープン)
会場:クシノテラス 広島県福山市花園町2-5-20
時間:13:00〜18:00
料金:1000円
出展アーティスト:アンディ・ウォーホール、李禹煥、篠原有司男、工藤哲巳、荒木経惟、荒川修作、太田三郎、松田修、野村佐紀子、Chim↑Pom、伊東宣明、宮脇愛子、亀井徹、新しい骨董
ウェブサイト:http://kushiterra.com/

(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)

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