諸設備の改修と利便性の向上のためおよそ3年にわたって休館していた東京都現代美術館が、2019年3月下旬にリニューアル・オープンを迎える。同時に、リニューアル・オープンを記念して、同館のコレクションを紹介する2つの大規模な展覧会が開催される。
東京都現代美術館のコレクションは、同館開館時に上野・東京都美術館から移管された約3000点と、それから現在に至るまでに展覧会や調査活動を通じて収集された約2200点の計5200点あまりから構成される。2つの展覧会は、それぞれの時代における独自の創造に着目してきた同館の意義を再考する機会となるだろう。
「百年の編み手たち ー 流動する日本の近現代美術 ー」展
1910年代から現在までの同館の実験精神あふれる作品の数々を、現在の創造に繋がる視点で紹介する企画展。日本の近現代の創造を、新旧の多様な表現や技術を編集し、そして社会と創造的な関係を切り結んできた「編み手たち」による試みという側面から再考する。それらからは、ハイブリッドな性格をもつ日本における創造のありようそのものを主題とする、先駆的な制作のあり方が見えてくるだろう。作品だけでなく、図書室の創作版画誌や特別文庫など戦前からの貴重な資料も展示される。
「MOTコレクション ただいま/はじめまして」
約3年間に及ぶ休館中に、東京都現代美術館には約300点の作品が新たに収蔵された。リニューアル・オープンを記念した今年度のコレクション展では、新収蔵作品を中心に紹介する。その第1弾となる本展は、主に2010年代に制作された作品群に焦点を当てながら、修復後の作品なども加えた展示となる。
展示概要
▪️「百年の編み手たち – 流動する日本の近現代美術 -」展
会期:2019年3月29日(金)〜6月16日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F、3F、地下2F
▪️「MOTコレクション ただいま/はじめまして」
会期:2019年3月29日(金)〜6月16日(日)
会場:東京都現代美術館 コレクション展示室 1F、3F
Text by Natsuki Morooka, Mirai Kaneko