公開日:2022年4月25日

【2022年版】ゴールデンウィークに見たい芸術祭・展覧会13選(全国編)

北海道から四国まで、GW注目の展覧会を紹介。開館時間や休館日はお出かけ前にチェックを

草間彌生 ナルシスの庭 1966/2022 Stainless steel spheres Copyright of Yayoi Kusama Photo: Masatomo MORIYAMA

国立アイヌ民族博物館「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」(北海道)

室蘭と苫小牧の中間地点にある白老郡。そこに所在する国立アイヌ民族博物館では、アイヌの衣服ルウンペに焦点を当てた展示が開催中。直線と⾯が織りなす複雑な模様の装束を通して、アイヌ文化を新たな視点から知ることができるだろう。

会場:国立アイヌ民族博物館
会期:3月15日~5月15日
開館時間:9:00~17:00(土・日・祝は20:00まで)
GWの休館日:なし
チケット:事前予約(日時指定券)推奨(詳細
https://nam.go.jp/exhibition/floor2/special/shiraoi2022/

国立アイヌ民族博物館外観 提供:(公財)アイヌ民族文化財団

弘前れんが倉庫美術館「池田亮司展」(青森県)

コロナ禍の2020年7月に開館した弘前れんが倉庫美術館では、池田亮司の大規模個展が開催されている。約100年残る煉瓦倉庫を改装した空間で、池田のダイナミックでジェネラティブな作品を楽しむことができる。展示の様子はレポートからチェック。

会場:​​弘前れんが倉庫美術館
会期:4月16日~8月28日
開館時間:9:00~17:00
GWの休館日:なし
チケット:当日券のみ
https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/ryoji-ikeda/

「池田亮司展」会場風景より《point of no return》(2018) 撮影:浅野豪

「越後妻有 大地の芸術祭 2022」(新潟県)

20年以上続く大地の芸術祭。新潟県越後妻有エリアの美術館、公民館、トンネルや古民家などが会場となる。長期間の開催が特徴の本芸術祭、今年の会期は4月29日から11月13日までの145日間。新作・新展開の123点を含む、333作品が公開予定だ。出展作品など詳細は記事からチェック。

会場:越後妻有各地(十日町、川西、中里、松代、松之山、津南)
会期:4月29日〜11月13日
GWの休館日:なし
チケット:パスポート制(詳細
https://www.echigo-tsumari.jp/

クリスチャン・ボルタンスキー 最後の教室 Photo by T. Kuratani

富山市ガラス美術館「カースティ・レイ 静けさの地平

カースティ・レイはオーストラリアの作家。現代の生活のなかで忘れがちな「場所とつながる」という感覚に注目するレイは、自然に触れた感触を再現した「折り」や農作業の痕跡に注目した「農具」シリーズなど、ガラスを用いた彫刻やインスタレーション作品で知られている。本展はレイの40年に及ぶ制作を振り返る国内初の個展となる。

会場:富山市ガラス美術館

会期:3月12日~6月26日
開館時間:9:30〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
GWの休館日:なし
チケット:当日券のみ
https://toyama-glass-art-museum.jp/exhibition/exhibition-4685/

金沢21世紀美術館「ムン・キョンウォン & チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」(石川県)

韓国を代表する現代アートデュオ、ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホは日本では初となる大規模個展を開催。中心となるのは昨年、韓国国立近現代美術館で発表された、ヴィデオ・インスタレーション《News from Nowhere : Freedom Village》とアポカリプスを描いた代表作《世界の終わり》。現代社会が直面する問題を取り上げ、未来と過去を往還しつつ力強いメッセージを投げかける彼らの作品世界を概観することができる。

会場:金沢21世紀美術館
会期:5月3日~9月4日
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
GWの休館日:なし(5月3日から開催)
チケット:事前予約(日時指定券)推奨(詳細
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1797

小海町高原美術館「磯谷博史 動詞をみつける」(長野県)

長野県に所在し、安藤忠雄が建築を手がけた小海町高原美術館は今年開館25周年。記念展の第一弾として、磯谷博史の大規模個展が開催されている。磯谷はトートロジカルな写真作品「Lag」シリーズなど、認識や時間感覚を揺さぶる作品を制作してきた。5月4日には蓮沼執太によるパフォーマンスも予定されている。

会場:小海町高原美術館



会期:4月9日~6月19日
開館時間:9:00~17:00
GWの休館日:5月6日
チケット:当日券のみ
https://www.koumi-museum.com/exhibitions/55/

会場風景

ヴァンジ彫刻庭園美術館「Flower of Life 生命の花」(静岡県)

開館20周年を迎えたヴァンジ彫刻庭園美術館。それを記念する本展では、イケムラレイコ、エレナ・トゥタッチコワ、川内倫子、志村信裕、杉戸洋、戸谷成雄、長島有里枝、奈良美智など39組の作家作品が紹介される。隣接するベルナール・ビュフェ美術館の創設者の言葉に由来する本展のタイトル「Flower of Life 生命の花」は円を繋ぎ合わせた幾何学模様であり、生命の循環を意味する。20周年という節目に、過去を振り返り、未来へつなげていくための展覧会だ。

会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館
会期:4月23日~12月25日
開館時間:10:00〜18:00
GWの休館日:なし
チケット:当日券のみ
https://www.clematis-no-oka.co.jp/vangi-museum/exhibitions/1355/

ヴァンジ彫刻庭園美術館

豊田市美術館「サンセット/サンライズ」(愛知県)

サンセット(日没)からサンライズ(日の出)のあいだに関わる作品がピックアップされた本展。招待作家として愛知県にゆかりのある小林孝亘を迎え、同館のコレクション作品と組み合わせつつ展覧会が構成された。夕暮れと夜明けに見られる「マジックアワー」や、眠りと目覚め、闇と光などをモチーフとした作品を通じて、静寂ながら心を揺さぶる体験が目指されている。

会場:豊田市美術館
会期:2月15日~5月8日
開館時間:10:00〜17:30
GWの休館日:なし
チケット:当日券のみ
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/ss/?t=plan

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」

KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭では、歴史ある京都の街を舞台に国内外の写真作品が集結。メインヴィジュアルを飾るギイ・ブルダンの展示や、国内の女性写真家10人に焦点を当てたプログラムなど見ておきたい企画ばかりだ。レポートを参考にしつつ、ぜひ足を運んでみよう。宿泊の際はまとめ記事からアートホテルを選んでみてはいかがだろうか。

会場:京都市内各所(京都文化博物館別館、京都市美術館別館、嶋臺ギャラリー、出町桝形商店など)
会期:4月9日〜5月8日
GWの休館日:なし
チケット:パスポート制(詳細
https://www.kyotographie.jp/

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」より、「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 © The Guy Bourdin Estate 2022/Courtesy of Louise Alexander Gallery

京都市京セラ美術館「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場

京セラ美術館では開館1周年を記念して、森村泰昌の大規模個展が開催中だ。現代美術におけるセルフポートレイトの先駆者として知られる森村。本展ではほとんど発表されてこなかったキャリア初期のインスタント写真が公開されるほか、展示空間内は森村の自作小説の朗読をもとにした音楽が流れるなど、35年以上に及んで構築されてきた作家の私的世界を存分に楽しむことができる。詳細はレポートから。
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」と合わせて鑑賞できるお得な割引も。詳しくは以下の公式サイトからチェックしてほしい。

会場:京都市京セラ美術館
会期:3月12日~6月5日
開館時間:10:00〜18:00
GWの休館日:なし
チケット:事前予約(日時指定券)推奨(詳細
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20220312-0605

Yasumasa Morimura "From the series "My Self-Portraits as a Theater of Labyrinths" (1984- )  © Yasumasa Morimura

藤田美術館「」「」「」「傳」(大阪府)

4月にリニューアルオープンを迎えた大阪にある藤田美術館は、4つのコンセプトの展示を開催。同館のコレクション形成に注目し、始まりを意味する「阿」、古今東西問わず、生命力や聖なるものを表すものに用いられてきた「赤」、国宝・曜変天目茶碗が公開される「曜」に続いて、5月1日からは「傳」もスタートする。

会場:藤田美術館
会期:「阿」4月1日〜5月31日/「赤」:4月1日〜30日/「曜」:4月1日〜6月30日/「傳」:5月1日〜7月31日
開館時間:10:00〜18:00
GWの休館日:なし
チケット:当日券のみ
https://fujita-museum.or.jp/exhibition/

BBプラザ美術館「辰野登恵子 身体的知覚による版表現」(兵庫県)

神戸市に所在するBBプラザ美術館は辰野登恵子の版画制作に注目する。辰野は絵画や版画などを通じて、平面における抽象表現を追求した作家で、シルクスクリーンやリトグラフ、銅版画、木版画と様々な版表現を用いた。「作家の現実感、生の感覚が見えてこそ絵はおもしろいのです」と語る辰野の身体感覚を、多彩な作風を通じて味わえる展覧会となっている。

会場:BBプラザ美術館
会期:4月19日~6月19日
開館時間:10:00〜17:00
GWの休館日:5月2日
チケット:当日券のみ
https://bbpmuseum.jp/exhibition/%e8%be%b0%e9%87%8e%e7%99%bb%e6%81%b5%e5%ad%90-%e8%ba%ab%e4%bd%93%e7%9a%84%e7%9f%a5%e8%a6%9a%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e7%89%88%e8%a1%a8%e7%8f%be

瀬戸内国際芸術祭

「海の復権」をテーマに掲げる瀬戸内芸術祭は、瀬戸内海の島々が舞台。今年も春・夏・秋の3期で開催、通算で約80の新作を含む214作品が展示される。開催中の春会期の詳細はレポートから見てほしい。なお、施設を訪れる際は「作品鑑賞パスポート」の購入が必要。休館日は島や施設により異なるので、公式サイトをよく確認しておこう。現地のゲストハウスによるブログも参考になるかもしれない。

会場:瀬戸内海各地(直島、豊島、高松港など)
会期:4月14日~5月18日(春会期)
GWの休館日:施設による(詳細
チケット:パスポート制(詳細
https://setouchi-artfest.jp/

杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ風景 2022  撮影:森山雅智

【2022年版】ゴールデンウィーク、東京・関東で見たい展覧会はこちらから

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。