公開日:2007年6月18日

カトウチカ 「水をハコブ」

BankART Studio NYKのスタジオで公開中のカトウチカ 「水をハコブ」。期間中にも手が加えられつつある展示も、フィニッシュに向かって随分と姿を明らかにしてきた。

《見えない川》は彼女が2002年から始めているプロジェクトで、現実の事物や風景を元に、実際には存在しない架空の川に関する様々な物語をつくりだしていく作品だ。今回はスタジオ来場者のポートレートを撮影し、インスタレーションに加えている。撮影された人物には「水質研究者」「橋りょう設計者」「住人」などそれぞれキャラクターが与えられ、短い物語が添えられている。

わずかな素材に豊かなイマジネーションが加えられ、ひとつの可能性としての世界が構築されていく様は美しい。実際のところ、キャラクターはどこかで人物本人とリンクしているかもしれないし、川は見えないだけで実は存在しているのかもしれないけど。

見る側も、インスタレーションの様々な要素から世界を読み取り、想像力を働かせながら楽しみたい。

Makoto Hashimoto

Makoto Hashimoto

1981年東京都生まれ。横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程卒業。 ギャラリー勤務を経て、2005年よりフリーのアートプロデューサーとして活動をはじめる。2009〜2012年、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)にて「<a href="http://www.bh-project.jp/artpoint/">東京アートポイント計画</a>」の立ち上げを担当。都内のまちなかを舞台にした官民恊働型文化事業の推進や、アートプロジェクトの担い手育成に努める。 2012年より再びフリーのアートプロデューサーとして、様々なプロジェクトのプロデュースや企画制作、ツール(ウェブサイト、印刷物等)のディレクションを手がけている。「<a href="http://tarl.jp">Tokyo Art Research Lab</a>」事務局長/コーディネーター。 主な企画に<a href="http://diacity.net/">都市との対話</a>(BankART Studio NYK/2007)、<a href="http://thehouse.exblog.jp/">The House「気配の部屋」</a>(日本ホームズ住宅展示場/2008)、<a href="http://creativeaction.jp/">KOTOBUKIクリエイティブアクション</a>(横浜・寿町エリア/2008~)など。 共著に「キュレーターになる!」(フィルムアート/2009)、「アートプラットフォーム」(美学出版/2010)、「これからのアートマネジメント」(フィルムアート/2011)など。 TABやポータルサイト 「REALTOKYO」「ARTiT」、雑誌「BT/美術手帖」「美術の窓」などでの執筆経験もあり。 展覧会のお知らせや業務依頼はhashimon0413[AT]gmail.comまでお気軽にどうぞ。 <a href="http://www.art-it.asia/u/hashimon/">[ブログ]</a>