公開日:2021年12月25日

池田亮司展が弘前れんが倉庫美術館で4月開催へ。国内では13年ぶりの大規模個展

2009年以来となる国内美術館での大規模な展覧会。新作を含む近年の活動を展覧する。

池田亮司 data-verse 1 2019 Courtesy of the Artist and Audemars Piguet Photo by Julien Gremaud © Ryoji Ikeda

青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館にて、作曲家/アーティストの池田亮司の個展が行われる。会期は4月16日〜8月28日。

池田亮司は1966年岐阜県生まれ、パリおよび京都府在住。電子音楽の作曲を起点に、音やイメージ、物質、物理現象、数学的概念などの様々な要素の精緻な構成を用いて、見る者・聞く者の存在を包み込むライブ・パフォーマンスやインスタレーションを発表してきた。

これまで東京都現代美術館(2009)、パーク・アベニュー・アーモリー(ニューヨーク、2011)、ポンピドゥー・センター(パリ、2018)、Eye Filmmuseum(アムステルダム、2018)、台北市立美術館(2019)、180 The Stand(ロンドン、2021)など世界各地で個展を開催するほか、あいちトリエンナーレ2010や第58回ヴェネチア・ビエンナーレ(2019)など数多くの美術展や国際展に参加。

池田亮司 point of no return 2018 Courtesy of Taipei Fine Arts Museum, 2019 Photo by LU Kuo-wei © TFAM

2000年以降データを主題に表現を模索し続けてきた池田は、とりわけDNA情報や素粒子、宇宙といった化学領域に関するデータに関心を持ち、自らの作品に取り入れてきた。そして、データを通した世界の新たな認識の方法を示してきた。

たとえば、「data-verse」シリーズでは、NASAをはじめ多くの科学機関の公開データを収集し、加工、変換など様々な操作を経て構成した作品を、高解像度の映像として展示室内に投影。鑑賞者を膨大なデータの世界へと引き込んでいく。

弘前れんが倉庫美術館の本個展は、2009年以来となる国内美術館での大規模な展覧会であり、新作を含む近年の池田の活動を展覧。高さ15mの吹き抜けの大空間にプロジェクションを行うほか、各展示室の映像や音響が時に結びつきながら、煉瓦倉庫を改修した同館ならではの建築空間と作品とが共鳴・共振する。

約100年前に酒造工場として建造され美術館へと生まれ変わった空間と池田作品のコラボレーションに期待が高まる。

2022年度 春夏プログラム「池田亮司」
会期:2022年4月16日〜8月28日
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日(ただし4月26日、5月3日、8月2日は開館)
料金:一般 1300円、大学生・専門学校生 1000円
https://www.hirosaki-moca.jp/

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