終了した展覧会・イベントです

墨蹟と中世漢画

根津美術館
終了しました
鎌倉から南北朝、室町時代にいたるわが国中世において、その芸術や文化に大きな 影響を与えたのは、言うまでもなく禅宗でした。坐禅・内観を通して自己の内面に仏 心を悟ることを旨とする禅宗は、経典や仏像に依拠するところ少なく、それだけに旧 来の仏教における造形活動とは異なる独自の世界を創造しました。それは書や絵画の 分野に著しく、書では師資相承を重んじたことから、直接見参して教導に与った師僧 の墨蹟が、その達悟の境地を示すものとしてことのほか尊ばれ、そうした南宋から元 時代にいたる高僧の墨蹟はわが参禅僧たちによって海を越えてもたらされ、その後禅 林において永らく襲蔵されてゆくこととなります。また、絵画は、対象の直感的把握 と内面の表出を希求した水墨画が宋元の時代の要請に適い、文人や禅僧の間に広く受 け容れられて、道釈人物や花卉、山水等の主題は、水墨画の手法とともに、わが国中 世絵画に直接影響を与え、近世絵画の一方の源泉ともなってゆきます。
 こうした中国宋元時代の舶載品を含む、わが国中世の墨蹟及び絵画の作品について は、鎌倉の常盤山文庫、根津美術館それぞれ等しく収蔵の根幹とするもので、何れに も優れた作品が多く、わが国を代表するコレクションとしてつとにその名を知られて おります。両館の収蔵品を合しての展観はこれまでにも数度にわたって試みられて参 りましたが、明年五月以降根津美術館が館整備事業により三カ年の間閉館することに 鑑み、今回、評価の高い中世墨跡と水墨画を主とした漢画をあらためて一堂に会して 展観することと致しました。暫し公開が遠のくこととなります。この機会に皆様方の 御清鑑を乞う次第です。

スケジュール

2005年8月20日(土)〜2005年10月2日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
展示替期間・年末年始休館
入場料一般 1000円、学生 700円
展覧会URLhttp://www.nezu-muse.or.jp/tenrankai/tenrankai.html
会場根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/
住所〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩8分
電話番号03-3400-2536
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します