終了した展覧会・イベントです

「東京.町工場より -機械部品と工具」 展

ロゴスギャラリー
終了しました
2007年6月、都内で半世紀にわたり同じ製品を作り続けてきた町工場が廃業しました。誰ひとりいなくなってしまった工場には、長い時間をかけて使い込まれた工具や、何に使われていたのかさえもはや分からない、しかしフォルムのとても美しい機械部品が、用途を失い、また、二度と熟練工の手に戻ることなく、時間が止まった廃墟のなかにただ放置されるに任されていました。

ここ数年、若い世代を中心にブームを見せている「廃墟」となった「工場」に眠っていた工具や機械部品は、多くの人から見れば廃品である一方、20世紀半ば以降、時にアートに転用されてきたものでもあります。

本企画展は、廃墟となった実在の都内の工場から、ステーショナリーとして、或いはアート作品の材料としてなど、自由な発想で再び活かせるような機械部品や工具などを、そのフォルムの美しさから厳選し、一般に向けて展示販売する初の試みです。

本展企画者であるパルコ・ロゴスギャラリー並びに日月堂は、これまでも「ムラカミ家のモノに見る昭和史」、「印刷解体」展など、失われゆく風景のなかから、失われてはならないと思うモノ、今後も変わらぬ価値をもつと思われるモノを取り出し、販売を通じて一つでも次の世代へと手渡そうと考えてまいりました。無残であるからこそ、そこに残されたものに少しでも価値を見出し光をあてたい。今回の企画も、この同じ考えに基づいて企画・開催するものです。
< 背景 >

ここ数年、若い世代を中心に、「廃墟ブーム」がいわれてきました。「廃墟」を紹介したり、その探訪を綴ったブログが急増したりするとともに、一般書店には「廃墟」の写真集から歩き方といったガイドブックまでが並んでいます。こうした流れの中で、さらに派生的に生れてきた「工場」についても、今年3月にはタイトルもそのまま『工場萌え』(東京書籍)が発行されてさまざまなマスコミを通じて話題となりました。明るく安定した未来が予見できず、しかもさまざまなモノやコトの賞味期限がますます短くなっているように感じられるいま、朽ちていくものの美学に対する共感や、近未来の都市の姿を予見するかのような意識が働いているのかも知れません。


本企画は、こうした背景のもと、廃墟となった町工場にこれまでとは異なる視線を注ぐことで、廃品を、使える「道具」へ、あるいは美的な「素材」へと変え、社会の中に再投入するとともに、都市のあちこちで人知れず消えていく場所や空間に対し、ひとりでも多くの人に新たな視点で捉えてもらうための、ささやかな契機となればと考えるものです。

スケジュール

2007年10月12日(金)〜2007年10月22日(月)

開館情報

時間
10:0021:00
休館日
パルコ休館日に準ずる
入場料無料
会場ロゴスギャラリー
http://www.parco-art.com/web/logos/
住所〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1 パルコパートB1F
アクセスJR渋谷駅より徒歩5分
電話番号03-3496-1287
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します