「展開する友禅」展

セイコーハウス銀座ホール

終了しました

アーティスト

安藤タヅ子、上原利丸、塩澤照彦、高橋寛、萩原いづみ

染織の世界には、その名のとおり、大きく「染め」と「織り」という、制作に際して2つのアプローチの方法があります。このうち「染め」は、西洋よりも特に日本で発達した領域です。江戸時代の中頃に、糊を用いた防染による模様染め技法として京都で完成したとされる友禅は、わが国の華やかなきもの文化を背景に人気を博し、近代になると東京でも制作されるようになりました。制作に多くの工程を必要とする友禅は、分業生産による産業としての発展をみたのち、特に昭和に入って、工人と呼ばれた職人たちの中から芸術表現としての友禅に取り組む者が現れるようになります。

絵画の応用美術としてのきものやパネルではなく、友禅染めという自律的な表現世界の魅力を、この展覧会では存分に楽しんでいただけることでしょう。私たちが彼らの制作したきものを着るということは、友禅というアートを身にまとうことであり、日本の文化と歴史の中で育まれてきた作家たちの美意識を直接体験することでもあるのです。

スケジュール

2007年3月1日(木)〜2007年3月8日(木)