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山口藍 「山、はるる」

ミヅマ・アクション
終了しました

アーティスト

山口藍
山口藍は、江戸時代後期、とある峠で隠れて商売をしている岡場所「とうげのお茶や」を舞台に、親から身売りされ独りぼっちになってしまったまだ幼い遊女たちの姿を、独特の支持体を用い、繊細で明解な描線と色面で表現し続けています。山口が作り出す「とうげのお茶や」という世界は、そこに暮らす女の子たちにとって限られた狭小なものではありますが、それだけに彼女たちが目にするもの、噂に聞くもの、他愛もない日々の出来事は、空想や願望といった形で大きく膨らんでいきます。幼い人が持つ純真で研ぎ澄まされた心は、移りゆく季節の草花、匂い、着物の文様、和歌の言葉などに投影されて混ざりあい、ときに湧く不安や嫉妬さえも美しい形となってあらわれます。

本展では、ミヅマアートギャラリーのある目黒近辺にかつて富士講のシンボルとしての富士塚があったという史跡から、山口は「目黒の富士」を連想し、そこからヒントを得た「お山」をテーマに制作が始まりました。お茶やの女の子たちが見聞きし、それぞれが想像を膨らませる富士講、富士見の真似事の様子が描かれます。柔らかく丸みをおびた白いキャンバスは、まだ雪の残る春の山に見立てられ、それと対照的に女の子たちの解かれた黒髪は、願いごとを叶えるために山頂を目指す、夢の中の女の子たちの登山道となり伸びていきます。山にかかった春霞は消え、自分の願いや相手への想いが通じることを思い描き「山、はるる」と題されました。

オープニングレセプション:3月 14日(水)18:00-20:00

スケジュール

2007年3月14日(水)〜2007年4月14日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日
入場料無料
会場ミヅマ・アクション
http://www.mizuma-art.co.jp/
住所〒162-0843 東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル 2F
アクセス東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅5番出口より徒歩5分、JR飯田橋駅西口より徒歩8分、東西線・有楽町線・南北線飯田橋駅B2a出口より徒歩8分
電話番号03-3268-2500
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