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柴田のりよし 「路地裏マンダラ」

ニコンプラザ東京
終了しました

アーティスト

柴田のりよし
作者は生来路地歩きが大好きで、いろいろな土地を旅しては裏通りや細い路地へと入り込んでゆく習性がある。7年ほど前より、変わりつつある中国都市部の路地裏に興味を抱き、北京・上海・広州を旅しては庶民の生活を観察してきた。しかし、空間としての路地は各所にあるが、人間のなまなましい存在感が露出している作者好みの路地はそう多くない。経済の発展や都市化が、路地のなまなましい生活臭を希薄にするということだろう。中国の路地は町角から次々に人が溢れてくる感じが心地良い。人口密度が高い上、住宅事情が悪いので、自然と人々は路上に繰り出すことになる。大通りから一歩路地へ入ると車両は入ってこないので路地が子供の遊び場になっている。公共スペースまで生活空間に取り込んだような路地裏生活を好ましく思う。細い路地を右折左折した末に方向感覚を失いながら、地図にも載っていない活気のある路地を発見した時は、路地歩きの幸福を感じる。街はいつでも急激に変わる。オリンピック、万博などのイベントもあり、あちこちで取り壊しの槌音が鳴り響く。壁のあちこちに書かれた「拆」の文字は取り壊しの意味で、やがて住民の移転が始まり、レンガ造りの古い住宅は更地にされる。通りには再開発への協力を呼びかける共産党支部の赤い横断幕が風に揺れている。僅かばかりの補償金では郊外の団地にしか入居できず、不利益を受ける人も多い。デベロッパーと結託した役人の強引なやり方に怒り、抗議の自殺を企てる人もいるほどで、中国特有の矛盾や庶民の不満を抱えながらも街は急速に変わり続けている。実際のところ、今回の写真にある路地風景の半分近くは、もう既に消失している。同時に人々の伝統的なたたずまいも現在進行形で消滅しつつあり、止めようのない大きな流れだとは理解しつつも、惜しい気がしてならない。モノクロ90点。

スケジュール

2007年9月11日(火)〜2007年9月24日(月)

開館情報

時間
10:3018:30
最終日は15:00まで
休館日
日曜日
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2007/09_shinjyuku-2.htm
会場ニコンプラザ東京
https://www.nikon-image.com/support/showroom/tokyo/event.html
住所〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28F ニコンプラザ新宿内
アクセスJR新宿駅西口より徒歩10分
電話番号03-3344-0565
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