Signs of My Memory。このシリーズで原が最も重点を置いている過程は言葉のトレースである。作家が日常訪れる先々で聞こえてくる人々の言葉を日記(ポケットブック)にイラストと共に書き残し、何十冊にもなったこのノートを元に再構築し、物語を作成している。そこに綴られた言葉達は、普段掻き消えてしまう我々の疑問そして生活の記録であり、原の手によってもう一度新しい命を吹き込まれた言葉達は日の光に反射する水面のように様々な思いを我々に引き起こさせる。言葉とは意味を具象化する記号であると同時に本質へと導くドアでもある。この言葉と言うドアを使ってアーティストは我々をどこへ導いてくれるのであろうか。本展では未発表の162.6 x 130.8cm 2点、117.2 x 91.5cm 2点、他数点の展示を予定しております。
[画像: 「Pocketbook Canvas no.1」 (2007) Oil on canvas]