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太田順一 「父の日記」

ニコンプラザ東京
終了しました

アーティスト

太田順一
作者の父親が遺した日記である。夫人に先立たれてひとり暮らしを余儀なくされた頃からつけ始め、87歳で逝くまでの20年間、毎日欠かさず書いていた。性格そのままに、小さな文字でびっしりと。何の趣味もなくこつこつと働いてきた昔式の人間であったから、内容は何をつくって食べたとか、テレビで見た何がどうであったとか、凡庸なものだが、端々にひとりで老いていくことへの不安が漏れ出ていて、だからこそ人に迷惑をかけぬよう達者であらねばと、人一倍健康を気遣っているさまが記されている。

亡くなる2年前、認知症(痴呆症)のこともあって老人施設に入った。本人にとって入所は不本意であったようで、そのときを境に日記は錯乱したものにと変わる。ページは汚され、殴り書きがなされ、偏執的に同じ文言、記述が繰り返されていく。日記は、父親の脳を襲った嵐のその痕跡なのだろう。人はこのようにして老い、死んでいくと知らされた。遠からず訪れる作者自身の姿を見る思いの作品である。モノクロ47点。

スケジュール

2009年12月1日(火)〜2009年12月14日(月)

開館情報

時間
10:3018:30
最終日は15:00まで
休館日
日曜日
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2009/12_shinjyuku.htm#01
会場ニコンプラザ東京
https://www.nikon-image.com/support/showroom/tokyo/event.html
住所〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28F ニコンプラザ新宿内
アクセスJR新宿駅西口より徒歩10分
電話番号03-3344-0565
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