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堀越裕美 「世界の果て」

銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
終了しました

アーティスト

堀越裕美
これまで作者はヨーロッパやアジアの海岸の風景を撮影してきた。それは、海辺の静謐な情景に世界のはじまりと併せたイメージを持ったからだが、作者は海辺に佇むとき、つねに未知の世界が潜んでいるような錯覚を楽しみながら、その空気感を写真に収めてきた。

そして作者は、2005年の秋からまたフランス西北端にあるブルターニュの海岸を撮影する機会を得ることになり、とくにサンマロの海岸の豊かな表情にひかれ、ここを拠点とした。

この海岸線は、潮の満ち引きが激しく、潮の引いた後、幽寂な空気を押し払うかのように、波際に新たな土地を生み、小さな劇場を仕立て上げることもある。ときおり現れる人の影に、どうにか現実に引き戻されるが、その人間の小ささにその土地の大きさを推し量ることができる。

作者は昔、まだフランス語がよくわからないころ、「日本とフランスはどれくらいかかるのかと」との問いに、「2年くらい」と答えたことがあった。そんなにたくさん飛行機に乗っていれば、遥か遠くの惑星にでも到達しそうな時間であると後に思ったが、それもあながち嘘ではなく、このブルターニュの海は何億光年もはなれているのではないかと錯覚するほど、静かで寂寞とした様相を見せることがあることを作者はこの滞在期間中に知ることとなった。

空を覆う雲に憂い、垣間見える広い空に救われ、波際が見せる閉塞と開放の連続に翻弄されつつ海岸の風景に目をやっていると、刻々とまたその海岸の面影は波とともに消し去られ、水平線の向こう側に浜辺での今日の出来事を曖昧にぼかしているかのようであった。

未来への希望と失望を波の退いた砂の上に再び投影しながら、今日の私たちの日常から遠くはなれたその海の日常の風景を目の前にしながらも、まだ遠いどこかの海岸を夢想しているような感覚を覚えながら撮影したものである。カラー36点。

スケジュール

2009年2月4日(水)〜2009年2月17日(火)

開館情報

時間
10:3018:30
休館日
日曜日
最終日は15:00まで、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2009/02_ginza-1.htm
会場銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/
住所〒104-0061 東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA 1F ニコンプラザ銀座内
アクセス東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A3出口より徒歩3分
電話番号03-5537-1469
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