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佐原宏臣 「何らかの煙の影響」  

表参道画廊
終了しました

アーティスト

佐原宏臣
佐原宏臣の連作「何らかの煙の影響」は、2003年から7年間に亡くなった7人の親族の葬儀とその周辺をていねいに記録したものである。一応の完成に7年を費やしたこの作品はまず、日本人の典型的な慣習の今日的なあり方を生々しい事実として捉えている。ここでは写真家は、自身も葬儀のメンバーでありながら、儀式の余白に立って出来事を観察する。とても両義的な「位置」に立っているといえる。別の角度からいえば、こういうことだ。写真家は、親族とは顔見知りであり故人に対する悲しみの感情を共有しながらも、通常は視覚化できないものを直截に暴露する、冷静なカメラの眼の要請にも従う。佐原の写真は、必ずしも悲しみの劇としての顕著な叙述性・演出性を訴求するわけではない。それは、日常と連続する空間の先に待ち構えているわだかまりや翳りのような、ある緩やかだが避けられない「移りゆき」の質を風景や人びとの身振りのなかに見極めようとする写真だ。悲しみの色とかたちは決して一様ではない。出来事が与える影響のインパクトが、とても多層的な様態をしており、それに触れるわれわれの感情の襞のか¥たちも色々であることを、この時間をかけた連作は繊細に、かつ確信を持って伝えている。   

スケジュール

2010年5月31日(月)〜2010年6月12日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
日曜日
最終日は17:00まで
入場料無料
会場表参道画廊
http://omotesando-garo.com/home.html
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB02
アクセス東京メトロ千代田線・半蔵門線・銀座線表参道駅A2出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩8分、JR山手線原宿駅竹下口より徒歩11分
電話番号03-5775-2469
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