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下田真由美 展

Ohshima Fine Art
終了しました

アーティスト

下田真由美
未だに風景画というカテゴリが存在できるなら、これらの作品は、風景画であると、まず考えてみよう。しかし、登場している動物や、植物や、建物や、船などはどれも同じように太い輪郭線(とあえて断言しておく)だけで描かれ、まるで対象物の「面」には全く関心が無いようなスケルトンでそこに存在する。普通ではあり得ない風景画である。これらの創作は、究極に最低限の骨組みのみの表現で、それが下田真由美の色々なものの捉えかただと気が付くのだ。

こんな話は関連しないだろうか。人間は、物を見るときに、時間差で部分部分でしか“見えて”おらず、その一部分毎の断片を繋ぎ合わせて一つのものと認識している。上や、横や、斜めから見たものを、記憶の中の情報と瞬時に照合して一つのものに統合させている。そして、みんなの共通認識の集積が、‘その形’を成立させている、という社会性の意味も帯びるてくるのだと思われる。さて、立体物を投影して出来る従来の『絵画』は、三次元のものを二次元の画面に無理やり描きこんで、三次元のものがそこに‘在る’とか‘居る’という暗黙の約束で観賞するのである。ということを、下田真由美は最初から明るく軽く破棄している。奥行きが無くて、透けていて、ごく平面的で、輪郭のみのミニマムな構成を追求している。

この件は、いわゆるキュビズムのことでは勿論ない。

そこで、下田真由美のこの創作はそれぞれ、記号≒アイコンなのでは、と思い当たる。シンプルに分かり易い方向に収斂していくアイコンはまさに下田の作品に現れるモチーフそのものではないか。これらの作品は、下田真由美が感受し、伝達したい世界なのだ。時代と共に日々進化する、まさに現代的なアイコンを風景画に落とし込み、彩りの配色による印象そのままに、メルヘンチックに、ポップに、踊るように、今を駆け抜けていく。

スケジュール

2011年2月19日(土)〜2011年3月12日(土)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場Ohshima Fine Art
http://www.ohshimafineart.com/
住所〒113-0021 東京都文京区本駒込4-33-10 1F
アクセスJR山手線駒込駅東口より徒歩10分、東京メトロ南北線駒込駅1番出口より徒歩10分、都営三田線千石駅A1出口より徒歩14分、東京メトロ千代田線千駄木駅2番出口より徒歩17分、都営三田線千石駅A3出口より都営バス「本駒込五丁目」下車徒歩2分
電話番号090-8815-7950
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