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東田茂正 展

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

東田茂正
美は破調にある。あえて調和を尊ばず、ひずんだ荒々しい土の断面に景色を見、その面(おもて)を流れ落ちる緑の濃淡に美を見いだす。東田茂正氏は現代の織部、志野を追求する陶芸家である。「歪んだものやヒビなど、普通なら欠点とされる表情を面白い、美しい景色と見なす織部・志野は、日本人独特の美意識が凝縮された『やきもの』ではないでしょうか」と、和光では3年ぶりとなる展覧会を前に東田氏は語った。戦国の世に生きた武将が出陣の前に一服の茶を喫する時、その手にある茶碗は分厚く、重たげなものではなかっただろうか。織部、志野はいくさに臨む武士の精神性を彷彿させる。

東田氏は、人の力のほかに何か大きな力が加わることによって生まれたような作品をめざす。轆轤(ろくろ)は、均一な回転の電動式より不均一な手回し轆轤を使用し、土の塊から外形を削り出し、内側の土を刳(く)り貫(ぬ)く。さまざまに調合を変えた数種類の織部釉を刷毛で塗る。酸化焼成と還元焼成を繰り返しつつ、窯の炎と対峙する。まさに工程ごとに、裂帛(れっぱく)の気合ともいうべき一瞬の勝負が求められる。「織部や志野は自分の作為を100%貫くことが困難です。今回は、特に成形や施釉・焼成の工程で、出来るだけハプニングを誘う技法を用いてみました」。桃山期以降、一時その流れが途絶えはしたものの、四百年の歴史を持つ織部、志野。東田氏は、25年間焼き続けていてもいまだに思いがけない表情に驚かされることがあるという。古くて新しい『やきもの』なのだ。

氏にとって自分の作品は使う人の想像力によって真の完成を迎えるという。今回の出品作は織部を中心に、志野、瀬戸黒、黄瀬戸など80余点。来場者の想いはこれらの作品にどのような完成体を与えるのだろうか。

[画像: 東田茂正 「織部蓋物」 22.5 × 27.5 × 21 cm]

スケジュール

2011年9月3日(土)〜2011年9月11日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
備考
開場時間: 10:30〜19:00
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/273
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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