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「日本画壇の風雲児 中村正義-新たなる全貌」展

練馬区立美術館
終了しました

アーティスト

中村正義
「日本画滅亡論」まで登場した戦後の日本画壇において、新時代に対応する新しい日本画改革の先頭に立って活躍した前衛日本画家・中村正義。若くして日展会員となりながら、1952年持病の肺結核が再発し、再び長い療養生活を余儀なくされました。その後1957年の日展から出品を再開、1960年には審査員にも推挙されました。しかし、翌年には仲間とともに師の中村岳陵のもとを離れ、生来の批判精神と日本画壇の因襲への反発心から日展も脱退してしまいます。

60年代以降は、画風を一転させ、絵の具に蛍光塗料を混ぜて描いた≪男と女≫のシリーズ、映画「怪談」のために描いた大作≪源平海戦絵巻≫などの前衛的な作品を制作。1966年には、美術評論家・針生一郎の企画による「これが日本画だ!」展に参加する一方で、仏画や風景画という伝統的な画題でも独自の画風を探求しました。74年には、社会的な意識の高い前衛画家によるグループ「从会」を結成、「黒い太陽・七人の画家-从展」を開催して、人間の「顔」に現れた心の闇を描いた作品群を発表しました。翌年には病苦に堪えながら、この从会を足掛かりに日展に対抗する展覧会として第1回東京展を組織・開催。しかし、1977年に惜しくも52歳の生涯を閉じました。

中村正義は、日本画の既成概念を遥かに超越した多様多彩な作品を描いて「日本画壇の風雲児」と呼ばれました。本展では、その変転し続けた芸術を中村正義の美術館の全面的な協力を得て、「新たなる全貌」として総合的に紹介するものです。

「中村正義-没後20年-」展(1997年/豊橋市美術博物館など)の開催以降、所在不明であった初期の代表作などが次々に発見されるとともに、あまり顧みられることのなかった分野の作品群も加えて、237点の作品を集めて、これまで以上に充実した内容での本格的な回顧展になります。

21世紀を迎えて、江戸時代の美術(伊藤若沖、長谷川等伯など)への関心が高まるとともに、現代美術の分野でも日本画の表現が積極的に活用されています。このような状況のなかで、中村正義の芸術を改めて検証することは、新しい時代における「日本画」の問題を再考する絶好の機会になると期待しています。

【関連イベント】
< 記念対談 >「父をめぐる旅-異才の日本画家・中村正義の生涯」
日時:2月25日(土)15:00~ *事前申込
会場:美術館視聴覚室
出演 : 武重邦夫(映画監督)、中村倫子(中村正義の美術館館長)

[画像: 中村正義 「空華」(1951) 豊橋市美術博物館蔵]

スケジュール

2012年2月19日(日)〜2012年4月1日(日)

開館情報

時間
10:0018:00
入館は17:30まで
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館。
入場料一般 500円、高・大学生・65~74歳 300円、中学生以下・75歳以上 無料
展覧会URLhttp://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/nakamuramasayoshi12.html
会場練馬区立美術館
http://www.neribun.or.jp/museum.html
住所〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
アクセス西武池袋線中村橋駅より徒歩3分
電話番号03-3577-1821
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