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佐伯守美 「四季を彩る」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

佐伯守美
自然の移り変わりに人生を重ね、樹木の織りなす景色を自らの心象風景として作品で表現する佐伯守美氏。和光では4年ぶり7回目となる展覧会を前にお話を伺った。

成形を終えた土に刀を当て、樹木の幹を彫る。繊細な枝々は筆で描くかのように刻んでいく。色土を埋め込んで均(なら)した後、はみ出た土を削り取る。卓抜した技と幾多の工程を経て樹林文を浮き上がらせる象嵌技法。氏と象嵌との出合いは、40年以上前、学生時代に訪れた韓国の窯場で目にした高麗青磁に遡(さかのぼ)る。それは陶芸作家としての道を決めた出合いでもあった。

「陶芸は形が重要です」と語る佐伯氏。樹林文を立体の器にあてはめた作品の数々は独特の魅力に満ちている。色土によって象嵌された樹木、釉薬、そして炎が、絵画とも見紛う不思議な空間を描き出す。鉄釉を還元焼成して木々の影を映し込んだ湖を表現し、赤色釉を用いて梢を染める朝焼けを表してきた。その一方で、氏は還暦を過ぎ、これまでとは違うモチーフを求め始めてもいる。立体の上に表現される風景は樹木でなくてもいいのではないか──。

60年で再び生年の干支に戻る還暦は、新たな挑戦の始まりを意味するのだろう。今年3月の震災では作品の多くが割れ、登り窯も壊れた。しかし佐伯氏は屈することなく土へと向かう。今回は、青と銀色による新たな樹林文の作品をはじめ、築窯30周年を記念した限定作品や工房近辺の四季の草花をモチーフにした陶板のほか、扁壺、花瓶、香炉、陶筥、食器など約100点を出展。さらに進化を続ける佐伯守美氏の世界をご堪能いただきたい。

◆会期中、会場にて佐伯守美氏によるギャラリートークを予定しております。12月10日(土)14時~

[画像: 佐伯守美 左:「象嵌釉彩樹林文花瓶」20×17×高さ30.7cm / 右:「象嵌泥彩樹林文花瓶」 21×18.5×高さ35.8cm ]

スケジュール

2011年12月4日(日)〜2011年12月13日(火)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/281
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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