終了した展覧会・イベントです

「所蔵作品展 寿ぎの『うつわ』 -工芸館の漆工コレクションから-」

東京国立近代美術館工芸館
終了しました
空気に触れると固まり、堅牢な塗膜となる不思議な液体―漆。漆は、ウルシの木から採取される樹液ですが、乾くと固まるという性質を利用して、芯材に木や麻布を用いたり、また塗面に金銀粉等を蒔きつけて華やかに装飾するなどして、古くからさまざまに活用されてきました。本来液体である漆は、それ自身では確固とした形をもたない存在で、漆単独で形を成すというよりも、他の素材と結びついて新しい姿形を獲得する、「触媒」のような役割を果たしている素材といえます。
強固な保護膜となって器を長持ちさせるという漆の実用面もさることながら、さらにひと手間もふた手間もかけて、作り手たちが形や表面の装飾の美を極めていくのはどうしてなのでしょうか。そこには、完成した漆工芸品がどのように用いられてきたかという、使い手側の事情もあるようです。
現代でも、新年のお祝いをはじめ、特別な席で漆器が用いられる場面を見かけます。「ハレ」の場を演出する道具として、またおもてなしの気持ちを伝える器として、とりわけ漆器が好んで用いられてきました。今なお、漆は私たちの生活のなかで「特別な場所」を占めている、そんな素材といえるのかもしれません。
本展では、漆という素材に脈々と継承されてきた文化的な特質を「寿ぐ」というキーワードで捉え、こうした視点からあらためて当館の所蔵作品約100点で、近現代の漆工芸を考えてみたいと思います。
[画像: 松田権六「蒔絵竹林文箱」(1965)]

スケジュール

2012年12月11日(火)〜2013年2月11日(月)

開館情報

時間
10:0017:00
休館日
月曜日
※入館は閉館の30分前まで。展示替期間、年末年始休館。月曜日が祝日の場合は月曜日開館、翌日火曜日休
備考
年末年始(12月28日~2013年1月1日)は休館
入場料[常設展] 一般 250円、大学生 130円、高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳提示をお持ちの方とその付添者(1名)は無料、企画展はイベントにより異なる
展覧会URLhttp://www.momat.go.jp/CG/kotohogi2012/index.html
会場東京国立近代美術館工芸館
http://www.momat.go.jp/cg/
住所〒102-0091 千代田区北の丸公園1-1
アクセス東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩8分、 東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口より徒歩12分
電話番号03-5777-8600
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