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村上豊 「遊」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

村上豊
素朴な筆の線で生き生きと描き出された阿修羅像、静かな日本の風景、豊かな母性を感じさせる女性像、そして自然の神秘……。どのモチーフからも温かい心地よさが漂う。独特の世界観で人々の視線を促え、魅了する画家、村上 豊氏の和光での個展は、5年ぶり5回目の開催である。和紙や布への墨彩、油彩、板を使った工芸的な作品など、さまざまな画材と手法は、氏の活動の幅広さと創作に対する自由な姿勢を示す。

テーマとして掲げられた「遊」は、物事にこだわらず、自由にやり尽くすことを意味し、己の本分を徹底することを指す『遊戯三昧(ゆげざんまい)』という仏語にも通じる。素直に自分の思いを見つめて描く創作姿勢は、かつての試行錯誤の中から築かれたものだ。村上氏は「若い頃は油彩の抽象画に取り組み、芸術は人に驚きを与えなければならないと頑なに考えていました。しかし、挿絵の仕事をするようになって、定義に縛られるよりも創作を楽しみ、毎日見ても気持ちのよい絵を描くことに目覚めたのです」と振り返る。

その名声を高めた書籍の装訂や挿絵において、氏は毎回原文を熟読し"文章の奥にあるもの"を描くという。しかし作家の領分には踏み込まない。壺を心得た挿絵が読者の人気を集め、錚錚(そうそう)たる文学者から指名が絶えない。

多岐にわたるモチーフは、日々の時間の中で吸収したものが醸成されて自然に生まれる。村上氏は取材旅行でもスケッチや撮影をしないそうだ。「記録すると細かいディテールばかりが残る。印象に残ったものだけを頭にインプットします」という。紙に向かうと、それは具体的などこかの風景や物ではなく、村上氏の世界だけに存在する何かになる。「見る人それぞれが自由に解釈してくれればいいのです」。柔軟な魅力にあふれる60余点の作品はすべて描き下ろしの新作。

[画像: 村上豊「修羅」96.5×33.5cm]

スケジュール

2012年5月19日(土)〜2012年5月28日(月)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/298
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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