ジュリア・フラートン-バッテンの作品には独特な‘奇妙さ’が潜む。構成から編集まで徹底した細かいコントロール調整と、卓越した照明技術の駆使することで生み出される作品。自然の光と人工的な照明を交差させて映し出されるその作品は、想像もできない独特な世界観を浮かび上がらせている。今回、満を持して展示するのは、2012年発表のプロジェクト‘Mothers and Daughters(母と娘)’。母と娘が持つ、時に複雑で、微妙な人間関係。時間とともに変化していく母娘の一瞬を捉えた全20作品です。ジュリアは被写体に本当の親子を起用し、彼らを彼らの環境の中で撮影することで、母娘が辿るその変化をドキュメント要素含めて映し出した。撮影を通して、母娘の関係がいかにもろく、脆弱性が含んでいるものであるかということに改めて気付かされたとジュリアは語っている。時間の経過とともに劇的に変化する‘母と娘’の関係。そこに生じる感情のスペクトラムを、見事に捉えているジュリアの作品を是非ご堪能ください。