この度、タムくんの愛称で知られるタイ出身のマンガ家、ウィスット・ポン二ミットの個展を開催いたします。新たに制作された6点のリトグラフとドローイングを出展いたします。全体的に色彩がレトロっぽく仕上がったリトグラフは、タムくん漫画ではおなじみの愛くるしい女の子「マムアンちゃん」が様々な場面で登場しています。そのチャーミングな表情にはたくさんのメッセージが込められています。イラストやアニメーション、音楽など様々な表現媒体で、その独自の世界を発信し続けるタムくん。2009年には、外国人作家として初の文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞し、その勢いはとどまるところを知りません。ジャンルの垣根を飛び越え、これまでに谷川俊太郎、細野晴臣、よしもとばなな、いしいしんじ、原田郁子等のそうそうたる顔ぶれとコラボレーションをしてきました。今や日本のカルチャーシーンに欠かせない存在と言っても過言ではありません。タムワールドに登場するキャラクターは、みなユニークで愛らしく、ほのぼのとした雰囲気で私たちの気持ちをホッと癒してくれる不思議な力をもっています。それは、おそらく常夏の国タイで育った作家自身のおおらかさ、そのものなのかもしれません。
[画像: Wisut Ponnimit『The world is waiting for your smile』2013 リトグラフ ed.]