田中右峯「回帰」

表参道画廊

終了しました

アーティスト

田中右峯

日常の刺激なき空虚な時間に飲み込まれ、せわしい時流に逆らうことなく流され、自問自答することもなく、いつしか自分の感覚は錆びついた切れぬ刀のようにガラクタになってしまいそうだった。今こそ自身に問い直さなければならない。今回「回帰」というテーマを掲げたが、改めて自分の足元を見直し、「書」の原点に回帰したいという思いが強くなった。「書」に原点回帰するといっても単に、文字を書く、可読性の有無、元来の用具用材を使用する、色彩を使用するか否か、ことを指さない。つまり「書」の根源の部分である。
「書く＝欠く、引っ掻く、描く」
「言語伝達手段＝自己の感情の表出、喜怒哀楽、叫び、等」
「文字成立＝象形、指事、形声、会意、等」
「造形性＝点と線の建築的要素、構成美、抽象性、簡素美、等」
上記の、「書」を成す根源に着目し、アプローチすることで再発信の
手がかりにしたいと思う。
現代書の絶望の先の希望は「回帰」しかない。　　　

スケジュール

2015年3月23日(月)〜2015年3月29日(日)