川島は1985年宮城県に生まれ、東京工芸大学大学院を修了後、a.a.t.m.(art award tokyo marunouchi)に選出。2012年にはTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARDでグランプリに輝くほか、以降はオランダのunseen photo fair、フォトロンドンをはじめとする国際的なアートフェアや、国際写真フェスティバル「Jimei x Arles East West Encounters International Photo Festival」(三影堂廈門、中国, 2015)で注目を集め、評価を確立してきました。この9月より、制作の拠点をオランダへ移し、東京とアムステルダムを中心に活動。2018年には、ロンドンにある大和日英基金にて個展を開催する予定です。
川島は、東日本大震災以後、W・Gゼーバルト、スーザン・ソンタグ、ミッシェル・ウエルベック、安部公房らの文学作品を伏線に写真をセンサーとして、自然が引き起こした災厄と向き合うことをライフワークとしています。作品の特徴は、地震や津波、火山といった自然災害やカタストロフにまつわるモチーフを、ストレートフォトグラフィ、自動演算、3DCG、映像、立体作品、文学作品から引用したテクストを交えながら、断片的に物語を紡いでいく姿勢にあると言えるでしょう。ドキュメンタリー的な手法にみられるような、年月や出来事の推移をそのまま再現するのではなく、紡がれた断章は独立しながらも、ときには脈絡を想起させ、多様な側面を語りうるような展開をみせていきます。