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[画像: J.B. Blunk 「Ceramic sculpture」 (1980) 13 × 10 1/2 inc © J.B. Blunk Estate Photo: Daniel Dent]

J.B. ブランク 展

BLUM
終了しました

アーティスト

J.B. BLUNK
BLUM and POEでは、北カリフォルニア出身の伝説的な作家J. B. ブランク (1926 - 2002年) による展覧会を開催いたします。当ギャラリーでは2度目、国内では、実に1954年以来約60年ぶりの個展開催となる本展では、1950年代から1990年代にかけて制作された50点以上の陶芸作品を紹介いたします。
当初、木工作家としてその名を知られるようになったブランクは、石彫、ブロンズ鋳造、ペインティング、粘土といった多様な媒体や素材を使った作品制作にも同様に取り組んできました。ブランクによる作品は、曲線形、円形、門形、男根形といったアーキタイプなフォームを想起させ、自ら探し出し用いる自然の素材が持つ特質は、作品のコンポジションやスケールに大きく影響を与えています。さらに作家は、従来のような家具か彫刻作品か、といったカテゴライズから逃れた自由な作品を生み出してきました。こうした作家の芸術領域に対する姿勢は、日本における美術と工芸の線引きの曖昧さにも通じる部分があると言えるでしょう。
実際に、ブランクの作家としてのキャリアは日本から始まっています。ブランクは、ローラ・アンドレソンの指導のもと陶芸を学んだカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) を卒業後、朝鮮戦争に召集されたことをきっかけに日本を訪れる機会を得ました。かつて、母校であるUCLAで行われていた展覧会で高名な日本人陶芸家・濱田庄司の作品に出会ったブランクは、日本で濱田本人と会うことを望んでいました。1952年に、彼は民芸店で偶然にもイサム・ノグチと出会います。ノグチは、名高い作家であった北大路魯山人を紹介し、ブランクの数カ月にわたる魯山人への弟子入りのきっかけを作りました。さらにその後、作家は、人間国宝であった岡山・備前の陶芸家・金重(かねしげ)陶陽の工房の徒弟として18ヶ月を過ごします。このようにして、1954年にカリフォルニアへ帰国するまでの間に、作家は日本の伝統的な陶芸界に深く関わってきました。
ブランクの手による大型の木の彫刻作品、陶芸作品、そのいずれもが、物理的な造形のプロセスそのものや、プロセスがいかに作品の完成形を導くかについての作家の強いこだわりを証明しています。ブランクは、理想とするフォームが得られるまで、徹底的に素材の本質を引きだしていく作業を行ってきました。手を使うことから創作が始まり、作家は木のこぶや石が持つ不完全さを受け入れ、作品を形作っていきます。そして、その不完全さによって作品の持つ構成や特徴が決定付けられていくのです。
1954年にノグチの企画によって東京の中央公論画廊で行われたブランクの展覧会について、当時、画家であり美術史家でもあった長谷川三郎は、「陶芸は、日本で高度に発展してきた工芸であり、精緻な技術によって確立されてきたことで知られている。しかし、日本人の陶芸家たちは、焼き物が持つ素朴で原始的な深い魅力を決して忘れていない。ブランクは、(日本の備前焼に)自らの表現媒体としての創造性を見出し、率直さが生みだす力強さを手にしたのだ。」と評しています。同展は、日本で最後に行われたブランクの個展となりました。
[関連イベント]
オープニング・レセプション
日時: 11月18日(金)18:00~20:00

スケジュール

2016年11月18日(金)〜2017年1月21日(土)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2016年11月18日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.blumandpoe.com/exhibitions/jb-blunk?lang=ja
会場BLUM
https://blum-gallery.com/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森 5F
アクセスJR山手線原宿駅竹下口より徒歩1分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅2番出口より徒歩2分
電話番号03-3475-1631 
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