アルヴィン・ルシエが自身の作品について語った名著『CHAMBERS』(1980/ 未邦訳 ) を読み解きつつ、音源、映像、文献そして大変貴重な来日時の記録などを参照し、ルシエ作品の魅力を参加者とともに考える研究会です。第3回は”Gentle Fire”、”Music on a Long Thin Wire” を中心に”Gentle Fire” はテープやシンセサイザーなどの電子音響装置を用います。ルシエの電子音楽は物理的というよりは、むしろ心象的な示唆に富んでいます。”Music on a Long Thin Wire” はサウンド・インスタレーションとして現在では広く知られていますが、『CHAMBERS』が書かれたときはパフォーマンス作品でした。そこで得た経験が、その後の展示という形態へと繋がっていたことが書籍より窺えます。1日の中で、温湿度や人の影響などにより自在に変化するロングティンワイヤー。1992年、美術館の広い空間に展示された時はとても豊かな変化がありました。その時の大変貴重な未公開録音を併せてご紹介します。