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張騰遠「Migrant」

東京アーツギャラリー
終了しました

アーティスト

張騰遠
移住者(Migrant)、それが今回の展示のテーマだ。2015年から、多くのメディアがヨーロッパ地域に難民が押し寄せていることを報道している。戦争により家を破壊された人々は、必要な荷物を持ち込むだけでなく、様々な方法により長い道のりを越え、ヨーロッパ大陸に渡り、戦争のない安心して子供を育てる事のできる場所へと移動する。しかし、人類の移動とは自由なのか?人類の移動は、これまで自由ではなかった。難民の移動は、山や海等の自然の地形による制限を除いても、尚閉ざされた国家の辺境にて遮られ、国家と国家の囲いの間で、陸地で繋がっていても、政治経済のシステム等様々な要因から、人々は易々と渡ることができなかった。人類の移動を妨げたものは、無形であるもののそこに存在する巨大な一つの壁だ。そのため、今回の東京の個展では馴染みのある土地を離れ、試しに移住者をテーマとし、人類の移動を通して自由の相対性を探索する事に踏み出したのだ。ワームホール。二つの異なる時空のトンネルを繋げる物、ワームホールを通して、あっという間に別の場所に移動することができる。移住者達の中には、ある種の携帯できるワームホールがあると私は仮想する。折り畳んでコンパクトに収め、自由に身につけて持ち運ぶ事ができる。いつでも使うことができるので、瞬く間に行きたい如何なる場所にも移動することができるのだ。作品の中で、とりわけ並列する二つの画面、且つ左右異なる画面を用い、まるで絵画が映画のワンカットシーンのような映像感を醸し、双方の画面が二つの異なる場所を暗示するだけでなく、ワームホールの中で移動する過程の風景を描写している。鸚鵡(オウム)人は持ち運びできるワームホールを利用して、異なる時空や場所をシャトルのように移動し、軽やかに且つ瞬く間に移動し、実は人々の不自由さを暗示しつつも、不自由を引き起こす要因である政治、宗教、経済、歴史…等をその不自由さの奥深くに表現しているのだ。
*鸚鵡人(parrot man ‒ オウム人間)、2012年から現れ出し、想像の未来を思考する現代の突破口とし、現代の人類のでたらめなシーン映し出す。地球最後の日から何千年何万年と経ち、鸚鵡人が地球に到来する。すっかり壊滅した様子から考古し、当時の人類の文明を理解しようとする。鸚鵡をキャラクターに選択した理由は、鸚鵡は人の声を真似ることができても、全く自分が真似している事の意味を理解しないところにある。そのため、私は鸚鵡は「誤解」の象徴と思っている。私は鸚鵡人が終わりを遂げた地球に来て考古するものの、絶えず各種の人類文明を“誤解”する事を通して、私が面白いと思った事やでたらめである現代の事象を提起するのだ。過ぎ去った歴史の跡を延々と回想する中、鸚鵡人は移住者の存在を、2016年を振り返るための思考の起点として、人類の自由と現代に隠された問題の関係性を探索するのだ。

スケジュール

2016年8月10日(水)〜2016年8月31日(水)

開館情報

時間
11:0020:00
休館日
月曜日

オープニングパーティー 2016年8月10日(水) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場東京アーツギャラリー
http://www.tokyoartsgallery.com/
住所〒150-0011 東京都渋谷区東2-23-8
アクセスJR渋谷駅新南口より徒歩8分
電話番号03-6427-6665
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