フランスのパフォーマンス・シーンで熱い注目を集める、コンテンポラリー・サーカスの異端児、カミーユ・ボワテル。東京芸術劇場TACT/FESTIVAL2014で初来日を果たした彼の代表作「リメディア~いま、ここで」は、触れるもの全てが壊れゆく冒頭シーンで日本の観客の度肝を抜き、旋風を巻き起こしました。その「リメディア」から2年、フランスで2003年に初演されるや否や、瞬く間に話題をさらった、幻の処女作「ヨブの話――善き人のいわれなき受難 L’homme de Hus」をひっさげて、カミーユ・ボワテルが日本に再上陸します。
旧約聖書の「ヨブ記」に登場する男よろしく、ひたすらに災難を乗り越え、更なる困難に立ち向かう。サイレント映画やバーレスクや風刺漫画のように滑稽でありながら、詩情あふれる崇高な受難譚。カミーユ・ボワテルの原点とも言うべき本作。ダンスともサーカスともアクロバットともアートのいずれでもあり、そのいずれでもない、ジャンルの垣根を軽々と飛び越えた、シュールでコミカルでクレイジーな、これまでに見たことのないようなカミーユ・ボワテルならではのパフォーマンスです。