終了した展覧会・イベントです
[画像: 牛腸茂雄 「SELF AND OTHERS」より (1977)]

「GOCHO SHIGEO 牛腸茂雄という写真家がいた。1946-1983」展

FUJIFILM SQUARE
終了しました

アーティスト

牛腸茂雄
新しい写真表現の豊穣期であった1970年代、その一翼を担う写真家として注目を浴びながら、36歳という若さでこの世を去った牛腸茂雄という写真家がいました。1946年、新潟県に生まれた牛腸茂雄は3歳で胸椎カリエスを患い、長期間にわたって下半身をギプスで固定される生活を余儀なくされたことから成長が止まり、生涯、身体的ハンディとともに生きていくことになりました。10代からデザインの分野で非凡な才能を見せた牛腸の大きな転機となったのが、高校卒業後、デザイナーを志し進学した桑沢デザイン研究所での大辻清司との出会いでした。戦後美術史に重要な足跡を残した写真家・大辻は、新しい世代の礎となる才能を数多く見出した優れた教育者でもありました。「もしこれを育てないで放って置くならば、教師の犯罪である、とさえ思った」。その回想にある言葉通りの大辻の熱心な説得は、牛腸の心を動かし本格的に写真の道を歩む決意を固めます。レンズを通して見つめる新たな世界を獲得した牛腸茂雄は、憑かれるように創造の世界に没頭し、カメラ雑誌などに発表した作品が次第に評判を呼び、若い世代の写真家として注目されるようになっていきました。何気ない日常で出会った子どもたち、家族、友人... 静逸で淡々とした作品の奥からこちらを見つめる被写体のまなざしは、写真を通して「自分と世界との関わり」を探求し続けた牛腸茂雄のポートレイトでもあります。その身体的ハンディゆえに「見ること」と「見られること」、「自己」と「他者」との関係性を意識することを強いられていた牛腸が世界を見るまなざしには、常に初めて世界をみたような初々しさと深い洞察が共存しています。
本展は、<日々><幼年の「時間(とき)」><SELF AND OTHERS>などモノクロ作品のシリーズから精選した約30点により「夭折の写真家」牛腸茂雄の足跡をたどります。近年、再評価の新たな機運が高まる牛腸茂雄が提示する世界は、見るものそれぞれの奥に眠る記憶を呼び起こし、静かで深い感動を呼びおこすでしょう。

会場: 写真歴史博物館

[関連イベント]
ギャラリートーク
日時: 11月26日(土)14:00~、16:00~(各回約30分)
会場: フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
講師: 本展監修協力・三浦和人氏(桑沢デザイン研究所以来の友人、本展出品作品プリンター)
参加費: 無料

スケジュール

2016年10月1日(土)〜2016年12月28日(水)

開館情報

時間
10:0019:00
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://fujifilmsquare.jp/detail/16100104.html
会場FUJIFILM SQUARE
http://fujifilmsquare.jp/
住所〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン WEST 1F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅8番出口より直結, 東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩5分
電話番号03-6271-3350
関連画像

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