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「館蔵品展 アヴァンギャルド画家たちの東京」

板橋区立美術館
終了しました

アーティスト

麻生三郎、長谷川利行、野田英夫、井上長三郎、中村宏
板橋区立美術館では、ヨーロッパから紹介されたフォービスムやシュルレアリスムに影響を受けた戦前の作品、戦後のルポルタージュ絵画など、アヴァンギャルドに分類される作品を数多く所蔵しています。今回は、これらの作品を「東京」を切り口にご紹介いたします。明治以降の東京には、美術学校や画塾、美術館、画廊が集中し、画家、画学生、美術愛好家も集まり、芸術の中心地になりました。また、東京は画家たちの創作意欲を掻き立てる場所でもありました。長谷川利行は、東京の各地を放浪し、浅草、銀座、新宿などの街の喧噪を繰り返し描きました。《水泳場》は、関東大震災の復興のために隅田公園に作られたプールが舞台となっています。荒い筆使い、鮮やかな色彩で描かれたこの作品からはプール遊びに興じる人々の歓声が聞こえてきそうです。また、アメリカ帰りの画家、野田英夫は東京の街を興味深く観察しています。《上野山下風景》には、上野駅前をリヤカー、自転車、自動車など様々な手段で通りを行き交う人々の一瞬の姿が捉えられています。画廊の街、銀座では画家たちが結成したグループの展覧会も盛んでした。1930年代中頃には、若手画家や学生たちがシュルレアリスムに影響を受けた作品を競うように発表しています。しかし、太平洋戦争開戦の頃からシュルレアリスムは弾圧を受けるようになり、自由な発表が困難になります。そのような状況の中、松本竣介や麻生三郎、井上長三郎らにより結成された「新人画会」の銀座で開かれた展覧会には戦争とは直接に関わりのない、日常を描いた作品が展示されました。出品作のひとつ、麻生三郎の《女》は、灯火管制の下、池袋モンパルナスのアトリエで妻をモデルに描いたものです。この作品からは戦争による緊迫した状況とその中でも描こうとする画家の強い意志が感じられます。戦後の東京では、急激に変貌を遂げる街の姿や各地での基地闘争、労働問題などを表現豊かに描いた作品が発表されました。中村宏の《血井(Ⅰ)》は、溢れ出るトイレに都市機能がパンクした危機的な状況を重ね合わせているようです。赤一色で描かれたトイレからは、見慣れた日常に潜む闇が見え隠れしています。本展では、戦前、戦中、戦後と東京を描き、東京で描かれた作品から画家の思想に迫ります。
[関連イベント]
1. 記念講演会「アヴァンギャルド画家の東京 ―― 長谷川利行・野田英夫・松本竣介」
日時: 9月15日(日)14:00〜15:30
講師: 田中淳(公益財団法人大川美術館長)
会場: 当館1階講義室
2. ギャラリートーク 担当学芸員が展示室を参加者と一緒にめぐりながら作品や作家についてお話いたします。
日時: 9月7日(土)、9月21日(土)、10月5日(土)各日14:00より50分程度
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2019年9月7日(土)〜2019年10月6日(日)

開館情報

時間
9:3017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.itabashiartmuseum.jp/exhibition/ex190831/
会場板橋区立美術館
http://www.itabashiartmuseum.jp/
住所〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
アクセス都営三田線西高島平駅南口より徒歩15分、東武東上線成増駅北口より国際興業バス「区立美術館」下車、都営三田線高島平駅西口(北側)より国際興業バス「区立美術館」下車
電話番号03-3979-3251
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