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ユルゲン・テラー 「Heimweh」

ケーニッヒ・ギャラリー
終了しました

アーティスト

ユルゲン・テラー
ケーニッヒ・ギャラリーは、東京のMCM銀座Haus Iでのスペースのオープンを記念して、ユルゲン・テラーの個展を開催致します。
「Heimweh」は、ホームシックというコンセプト-作家自身のドイツ人としてのアイデンティティ、およびブレクジットをめぐる不安が取り巻くイギリスにおけるヨーロッパ移民としての立ち位置の再考-を中心に展開します。
本展を最もよく表す作品として、KÖNIGショップの「EUnify」のフーディーを着たクリスティン・スコット・トーマスのポートレートが挙げられます。作家の真っ直ぐなアプローチによって、彼女のゆるぎない、しかしどこか虚ろな眼差しは、来るイギリスのEU離脱に対するショック、そして不信の念を体現します。
被写体を捉える際のこのようなオープンで誠実な姿勢は、テラーの実践における成功の礎石といえます。未出版に終わったとあるロシアの雑誌のため、テラーがヨハン・ケーニッヒのポートレートを撮影して以来10年間に渡り育まれた友情を通して、本展は、「気取らない」スナップショットの美学によって「全ての人々を平等に」するテラーの能力へ向けた、ケーニッヒの称賛に主眼を置きます。

まずソーシャル・メディアのスターであるキム・カーダシアンが、16世紀にパリ付近に建立されたシャトー・ダンブルヴィルの外側の汚い土手をよじ登ろうとしている作品に目を向けてみます。この思いもよらないシナリオは、もともと2015年に雑誌『System』の増刊用に提案されたカニエ・ウェスト、テラー、そしてキム・カ ーダシアンによるストーリーから取られたものですが、そこでは彼女の豊満な身体が強調される一方、美と名声を求める動物的な意図が前景化されています。またサンローランのブリーフケースやアンクルブーツで装飾されたオレンジ色のホットドッグの人形をモチーフとしたユーモアのある写真では、ファッションが絶えず消費されるモノとして表象されています。この作品はもともとBarneysのSS14のために撮られたものでしたが、最近では2019年にSteidl社から出版されたテラーの作品集「Handbags」でもフィーチャーされています。
「KÖNIG」マガジン特別版の表紙を飾るテラーのセルフ・ポートレートでは、ファッション産業において見え
ない形で通底している完璧さへの欲望を、コミックのような過激さをもって自らの容姿を批判することでパロディーとして扱っています。このような作家のユーモア、好奇心、そして内省は、iPhoneによって撮られた、一瞬それとは認識できないほど拡大された汗ばんだ茶色の脇毛を写した作品である「Armpit, Paris」

(2018)においても自明です。このような親密さを感じさせる抽象性は、生き生きと繁る緑の苔に覆われた土地を写した「Paradise II, Canada」 (2017)や、複雑に入り組んだ大量の自転車の写真を捉えた「Bicycles No.1, Göttingen」(2019)においても反響されます。
事実、ケーニッヒによって選ばれた12枚の巨大スケールの写真作品は、サンローランのSS19の広告写真における身体性から切り離された色気から 、 子どものホスピス施設での心温まるポートレートまで、さらには吸い込まれるような風景写真やナラティブを追求した驚異的な、美しい静物写真まで、どれもテラーの表現の息吹を明示します。
2019年に制作された見開き48ページの作品「Wieso」は、ドイツ版『Vogue』の10月号のオリジナル・レイアウトを再構成したもので、ファッションモデルを、ドイツ人としてのアイデンティティを省みた 、 自身にまつわるイメージへと置き換えています。丁寧に選ばれたイメージたちは、セルフ・ポートレートに加え、田舎の風景や建築物、食べ物、古い家族のスナップ写真、そしてよく知られた彼の母アイリーンのポートレートなどを描き出し、さらにはビールを注ぐシリーズ作品 や 「Self-portrait, 6th consecutive title, Bayern München, London 2018」 を含みます。
ヨハン・ケーニッヒがKönigマガジン最新号のイントロダクションで思い描いているのは、まさしくこのドイツ人としての自覚-テラーの作家としてのヴィジョンをつなげそして表象する、「木の板、ビール、居心地がよくておとぎ話のような空間の客間、森、バイエルン州のミュンヘン、そしてソーセージと鹿の枝角の壁掛けオブジェ」への郷愁の念なのです。

スケジュール

2019年11月10日(日)〜2020年1月11日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、火曜日

オープニングパーティー 2019年11月9日(土) 17:00 から 18:30 まで

入場料
展覧会URLhttps://www.koeniggalerie.com/exhibitions/25667/juergen-teller-heimweh-opening/
会場ケーニッヒ・ギャラリー
住所〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-4 MCM GINZA HAUS 1 6階
アクセス東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅8出口より徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線・銀座線・日比谷線銀座駅A13出口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A8出口より徒歩4分
電話番号03-5524-7177
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