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[画像: アンセルム・ライル Space Unity 高さ132.6cm 幅52.23 2/3in 2020]

アンセルム・ライル 「ANOTHER DAY TO GO NOWHERE」

ケーニッヒ・ギャラリー
終了しました

アーティスト

アンセルム・ライル
ベルリンを拠点に活動するアーティストのアンセルム・ライルは、ケーニッヒ東京での個展「Another Day to Go Nowhere」でサイト・スペシフィックなインスタレーションを展開し、最新のシリーズから作品を紹介します。遊び心に満ちた素材、手触り、色使いで知られる作家は、本展にて新作のペンディングに加え陶器の新作もあわせて展示いたします。またライルは展示空間を囲むギャラリーの白い壁に、黒いスプレーを乱雑に吹きかけます。グラフィティやタグにインスパイアされた彼は、そのような都会のパブリック・スペースに見られるアートの表現を、抽象的でミニマルな形で展示空間へと落とし込みます。

新作ペインティングのシリーズにおいて、彼は自身が何年もかけて取り組んできた色彩、そして素材に対する規範を援用します。その中にはネオンカラーや質感のある布、銀箔、そして自由で抽象的な形をしたファウンドオブジェクトとしてのネオンライト管などが含まれます。また近年の彼の作品においては、プロセスやジェスチャーといった要素が重要性を増しており、制作のプロセスや失敗、そして偶然的な事象が形態的な要素として意図的に作品へと取り入れられています。素材に関していえば、ライルは視覚的な触覚効果を生み出すため、黄麻布や分厚く塗られたアクリルのペーストといった粗い手触りの感じられる素材をより多く用いるようになっています。

ライルの作品の特徴として、もともともの機能から逸脱したさまざまなファウンドオブジェクトの使用が挙げられ、それらは異なる見た目となり、そして新たな文脈へと組みかえられています。このような特徴は、作品の素材としての金属くずや銀箔、ネオン管とともにその重要性を鑑賞者に思い起こさせます。陶の花瓶の作品群は、数年前には1970年代以来の「ファット・ラヴァ※」のスタイルで制作されていましたが、現在はそこからさらなる発展を見せています。金属のような輝く光沢で仕上げることで、その陶作品は自然にライルというアーティストの作品全体に馴染んでいます。

ライルはアクション・ペインティングに焦点を当てることで、アンフォルメルや抽象表現主義の影響を受けた、自身の作家としてのクリエイティビティの源泉に言及します。しかし一方で、常にペンディング、およびファウンド・オブジェクトを用いた作品を自身のメインテーマとして持ち続けています。日常の消耗品を「ハイ・アート」と組合わせることで、彼はイメージの主題としてのありふれたものの価値に対して疑問を投げかけ、そして社会的に形成された趣向という考えに挑みます。モダニストの規範のトレードマークとなったモチーフに新たな意味や文脈を与えるため、ライルはそのようなモチーフを頻繁に引用します。そしてそのような方法を通して、彼はアートの受容の一般的な形式に対して批判的な思考をうながします。
※ ファット・ラヴァ:第二次世界大戦後、窯業の再建を図るドイツにおいて、その中心的な役割を果たした西ドイツの陶器

同時開催: マーティン・エダー「TRANCELUCENSE」

スケジュール

2020年3月6日(金)〜2020年4月12日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、火曜日
入場料無料
会場ケーニッヒ・ギャラリー
住所〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-4 MCM GINZA HAUS 1 6階
アクセス東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅8出口より徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線・銀座線・日比谷線銀座駅A13出口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A8出口より徒歩4分
電話番号03-5524-7177
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