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加藤富也 「 環 - たまき - 」
終了した展覧会・イベントです
[画像: 加藤富也 “ 環・ドラゴンフルーツ “ acrylic on canvas 273×273mm 2020]
加藤富也 「 環 - たまき - 」
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アーティスト
加藤富也
緻密な描写とも見える加藤富也の点描画は、事物の再現ではなく、空間に浮遊する素粒子のような「存在の気配」を抽出して再構成されています。全ての色彩を混合すると無彩色のグレーとなる中で、様々な色を感じさせるグレーを描くという、自身の基本表現から生まれる加藤の作品はどれも、一見落ち着いた印象で統一されているように見えます。しかしながら、目の前に広がる無数の点は、近くで見ればみるほどその鮮やかさが増し、気配を醸し出すための様々な色彩で溢れています。
カラーフィールドペインティングのような抽象絵画からスタートした加藤が点描を始めたのは1990年代中頃。線と面による構成に自身の表現としての限界を感じていた頃でした。また、日々を取り巻く他者や社会との様々な関係に疑問を抱いていた加藤は、「人の存在も素粒子の群として見れば、あるエネルギーの流れが漂っているに過ぎず、社会的な存在としての差異などは大した問題ではない」という視点に気がつき、生きることに対して楽な気分になったと語ります。その心境の変化の時期とアボリジニの作品との出会いが重なったことで、加藤の点描への追求はスタートし、その過程で始めた写真作品と併行して制作を続けています。
本展は、これまで加藤の展示タイトルに必ず現れていた、「素粒子のように」という言葉を取ることで、「環」という言葉を強調しています。異質に見える存在同士でも、それらを取り巻く様々な物と繋がり、素粒子のエネルギーは浮遊しながら循環していくのだ、という自身の考えを、制作を通じて再確認できたと言います。自身の理論と表現を発展、拡張しつつ、美術作品としての豊かさを追求する加藤が今回発表するのは、存在の循環をより強く意識して描かれた作品群です。
「モチーフが何であれ、描かれたものは実は全て抽象であり、「点」の集積に過ぎない」と言う加藤の言葉は、どことなくドライな印象を受けます。ただ、ここで加藤が意図していることは、何がモチーフかは重要なのではなく、そこに確かに存在すること、そこに感じられるエネルギーのような気配を捉えることを重要としている点だといえるでしょう。様々なモチーフを等質に素粒子的なエネルギーの流れとして見ている加藤富也だからこそ描ける、繊細で美しい点の集積です。
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スケジュール
2020年6月26日(金)〜2020年7月5日(日)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
入場料
無料
会場
s+arts
https://www.splusarts.com/
住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
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アクセス
都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号
03-3403-0103
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