終了した展覧会・イベントです
[画像: Photo by 山本糾]

SEIKO MIKAMI 「Suitcases 1993 | 2020」

CAPSULE
終了しました

アーティスト

三上晴子
今年の春、1通のメールが届きました。それは、昨年刊行された『SEIKO MIKAMI-三上晴子 記録と記憶』(NTT出版)を手にしたある読者からのもので、三上晴子(1961-2015)の作品を譲渡したいという内容でした。その作品は、1993年に東京のギャラリーNWハウスで開かれた三上の個展で、6点のスーツケースと並ぶインスタレーションとして発表されました。

《スーツケース(World Membrane: Disposal Containers - Suitcase)》というタイトルの作品は、1992年に東京のP3 art and environmentとシドニーのARTSPACEで行われた個展「地球の皮膜/処理容器」と「被膜世界:廃棄物処理容器」を発展的に受け継いだものです。作品を構成する透明なスーツケースの中に詰め込まれているのは、「事故空気/有害粒子処理缶」「使用済み注射針廃棄コンテナ」「生物災害破棄物袋」「有害液体漏洩・流出処理キット」「生物災害物質廃棄コンテナ」「科学実験施設、病院などのガラス類廃棄箱」「放射線防護服」「放射性廃棄物コンテナ」「実験動物用廃棄コンテナ」などです。三上は、これらの容器を「皮膜=被膜」として捉えたうえで、空港の手荷物検査場を想起させる空間の演出によって「移動」を暗示しました。

「我々がどのような時代環境の中に生きているかを知らせてくれるのが三上晴子の作品である。*」1980年代半ばから約30年間、情報社会と身体をテーマに制作を行なった作家が他界した後にも、生き残った作品は我々の時代の新しいリアリティと共鳴しつづけています。今回の展覧会は、生命と世界に対する三上の洞察を、2020年の東京に召喚する試みです。

*熊谷伊佐子「三上晴子―時代を見抜く目」、『CURATOR’S EYE ‘93』、ギャラリーNWハウス、1993年、22ページ

スケジュール

2020年7月17日(金)〜2020年7月19日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttp://suitcases.sakura.ne.jp/
会場CAPSULE
http://www.capsule-gallery.jp/
住所〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-7-12 B1F
アクセス東急田園都市線池尻大橋駅南口より徒歩8分、東急世田谷線三軒茶屋駅北口より徒歩10分
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