終了した展覧会・イベントです

「カンサイボイス - A journey through painting today - 」

nca | nichido contemporary art
終了しました

アーティスト

東慎也、今西真也、竹内義博、山本捷平、吉岡寛晃
nca | nichido contemporary art は上記アーティストによるグループ展「KANSAI VOICES | カンサイボイス -A journey through painting today-」 展 を開催いたします。現代美術の表現は日々多様化し、現存の分野に加えて最新の技術や科学などのさまざまな領域を超えて応用するなど早いスピードで変化しています。同時に絵画もまた、具象・抽象表現を繰り返しながら、時代を反映した新しい表現が生まれています。本展は、関西を拠点に、今精力的に活動している若手ペインター5名に焦点を当てています。彼らはほぼ同時代に同じ環境で絵画を学んでいます。あくまで絵画にこだわり、自身の世界感やリアリティーをどう画面に表すべきかを模索してきた各々が、それをどのように展開し、表現を確立するのか。本展のために制作された最新作を一堂に発表します。本企画は参加アーティストの一人の今西真也の協力のもとに実現しました。

東慎也(1994-)は日常生活やニュースで目にする風景を切り取り、大胆なストロークでキャンバスに表しています。また東の作品の多くに街でみかけた散歩する人、酔っぱらった人、聖人、東自身等々さまざまな人物が登場します。しかし顔の造作や身体は簡略化され、表情や人物像は読み取れません。顔を覆うように重ねて塗られた絵具が人間の表に見えない複雑な感情を隠しているようです。「絵の中においては絵具という物質で描かれた対等な存在になる」という東は、色鮮やかでユーモアのある画面の裏に社会的ヒエラルキーや外見の重要性を批判しているようです。

今西真也(1990-)はキャンバスに油絵具を厚く塗り重ね、筆致の跡を力強く残し、削っていく行為を繰り返しながら描いています。画面から距離を持つと次第に表れるイメージは、ものの変化や消失、退廃と同時に再生、蘇生や復興をも想起させる稲妻、花火、光のうつろい、蝋燭の火などをモチーフにし、死(おわり)と生(はじまり)が表裏一体の関係であることを示しています。距離や視点、位置を変えるたびに新しい表情を見せるそれは、私たちが普段目にし、認識しているものがいかに不確かさであるかを明示します。

竹内義博(1987-)はゲームの構造を絵画に取り入れようと、近年は落ちものパズルゲームの「ぷよぷよ」から着想を得て作品を制作しています。それは上方から落下してくる数種類の「ぷよぷよ」を、色を揃えるなどある条件を満たして消滅させて得点をかせぐというものです。消失されてしまったかたちは、空(ゼロ)あるいは真っ白なキャンバスを想起させます。竹内の描くランダムに並ぶ「モノ」の前では、私たちは脳内で自由に消滅、追加させて何度でも新しいイメージを構築させることができるのです。現実と虚構を行き来するイメージはアイデンティティーやコミュニケ―ションといった普遍的なテーマが背景にみえるようです。

山本捷平(1994-)は自身の興味である仏教哲学や日本文学からヒントを得て、実体とは何かという大きなテーマをもって絵画を制作しています。「・・・現象というものは時々刻々変化するものであって変化しない実体というものはありません・・」という仏教哲学の考えを基に、身体を通して生まれる偶然性や、絵具を消費していく過程で徐々にイメージがかすれていく様を受け入れながら山本は自作ローラーを使ってキャンバスにイメージの反復を繰り返しながら構築していきます。コピー&ペーストというデジタル技術をあえてアナログの手法で画面に痕跡を残すことで、現代の膨大なデータにあふれる情報社会に警鐘を鳴らすとともに、改めてオリジナルと複製、引用と複製の関係を再考させます。

吉岡寛晃(1993 -)は絵画における平面を表現する行為や慣習、色彩の作用に焦点を当て、自身やその環境の相互依存関係について考察しています。2015年以降の展覧会は、正確さとカオス、オリジナルとコピー、単一と複数、過程と存在の間の緊張をまとめて探求する作品群によって構成されています。「鑑賞者は『作品が何と関係するか』『素因は何か』などの解釈を視覚的表面から得る必要はありません。」という吉岡の作品は視覚言語や記号論を介して何かを示しているのではなく、作品としての材料そのものが観者のアイデンティティの撹乱、また鑑賞方法の捉え直しを推しているかのようです。

スケジュール

2020年12月18日(金)〜2021年2月6日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
12月29日から1月11日は休廊
入場料無料
展覧会URLhttps://www.nca-g.com/exhibition/2020/kansai_voices_a_journey_through_painting_today/
会場nca | nichido contemporary art
http://www.nca-g.com
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-21-24 102
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩7分
電話番号03-3555-2140
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