poster for 「今井壽惠の世界」
[画像: ©Hisae Imai 名馬の肖像より「メジロマックイーン 優雅に立つ」(1993)]

このイベントは終了しました。

今井壽惠(いまい・ひさえ)は1931年に東京・東中野「今井写真館」の長女として生まれます。父・康道は銀座松屋写真部長を務めていました。1952 年文化学院美術科を卒業。1956 年に初個展「白昼夢」(銀座・松島ギャラリー)を開催しました。ジャン・コクトーに強い影響を受けていた今井は、写真という装置を用いて、心象風景的、文学的な自由な世界を繊細に作り出しました。リアリズム写真の時代にあって、その前衛的な作品に対して当時は批判の声もありましたが、一躍話題の新人女流写真家として注目され、同世代の写真家集団「VIVO」のメンバーとともに写真界に新しい風を吹き込みました。
その後も、「ロバと王様とわたし」(1959年日本写真批評家協会新人賞)や「オフェリアその後」(1960 年カメラ芸術・芸術賞)などの詩的な写真作品を発表し高い評価を受け、コマーシャルの仕事に多忙な日々を送っていた矢先、1962年に交通事故に遭い、一命は取り留めたものの、一年半もの間視力を失ってしまいます。視力回復後に見た映画「アラビアのロレンス」に登場する生命力溢れる馬の姿を見て深く感動したことをきっかけに、馬へ関心を持ちはじめます。親交があった寺山修司に競馬の世界に導かれ、1970年にイギリスで名馬「ニジンスキー」と出会い、人間以上の気品と細やかな情感を持つ、馬の精神性の高さに衝撃を受けます。それ以降、世界中の牧場や競馬場でシャッターを切り、競走馬の血統を追い、やがて名馬を見分ける目を持つまでに至ります。馬に深い愛情を傾け、心を通わせた今井にしか撮れない、単なる生態記録を超えた、馬の個性や特徴を引き出した写真で、馬写真の第一人者と国内外で認められていきます。

本展では、清里フォトアートミュージアム収蔵のオリジナルプリント55点を、第一部と第二部に分け、展示いたします。また、貴重な初期作品を含めプリント販売も行います。第一部(2020/12/3(木)-12/27(日))は初期前衛作品「魂の詩 1956-1974」と題し、鮮烈なデビュー作「白昼夢」(1956)をはじめ、受賞作「ロバと王様とわたし」「オフェリアその後」や、詩的な作品から馬作品への移行時期に撮影された「ENERGY」など作家の内面から作り上げられた純粋な感性の表現である24点を展示します。第二部(2021/1/7(木)-1/31(日))は「生命(いのち)の輝き-名馬を追って」と題し、今井壽惠を魅了した名競走馬たちを格調高く捉えた「名馬の肖像」シリーズと、光あふれる牧場をのびのびとかける馬を詩情豊かに捉えた「ガラス絵の牧場」シリーズから31点を展示します。

写真を通じて文学や詩の世界に戯れた初期の実験的な表現、また、生死の境を彷徨った交通事故以降、「生命の証」を求めてライフワークとなった馬の生命力溢れる瑞々しい作品は、いずれも試作をし続けるエネルギーと絶え間ない好奇心を感じさせます。今なお新しく、輝きを放つ今井壽惠作品をどうぞご高覧ください。

[関連イベント]
レクチャー「幻想と現実の狭間でーー1950〜60年代の女性写真家」
日程: 12月19日(土)14:00〜
講師: 飯沢耕太郎(写真評論家)
参加費: 1000円(ご予約制)
※イベント詳細は公式ホームページよりご確認ください。

メディア

スケジュール

2020年12月03日 ~ 2021年01月31日
12月25日は18:00まで、12月28日から1月6日は休廊

アーティスト

今井壽惠

Facebook

Reviews

All content on this site is © their respective owner(s).
Tokyo Art Beat (2004 - 2021) - About - Contact - Privacy - Terms of Use